土地の地形によって注文住宅にどのような影響がでるか?

土地の地形によって注文住宅にどのような影響がでるか?

注文住宅を建てるとき、土地から探す人も多いはずです。そんなときによく耳にする言葉としては、「土地の地形が良い」、「土地の地形が悪い」ということを聞きます。

これは単純に土地の形のことを意味しています。地形(ちけい)と読みがちですが、不動産用語としては地形(じがた)と読みます。

一般的には、正方形や長方形の土地は地形が良い、三角形や台形、L字型の土地は地形が悪いとされており、土地の価格や固定資産税の評価額なども低く査定されます。

地形の良い土地は「整形地」、地形の悪い土地のことを「不整形地」という言い方もしますので、覚えておきましょう。

そこで今回は、土地の形と注文住宅の関係について、いろいろと考えていきたいと思います。

土地の価格はどれくらい違うのか?

整形地と不整形地では、土地の価値が違うという話をしましたが、どれくらい金額的に違ってくるのかについて話したいと思います。

上記A~Dの4つの土地であれば、一番一坪あたりの価格が高いのはほぼ正方形のA地です。B地もさほど金額的には違いません。

問題はCとD地なのですが、正直これは査定をする不動産業者によって意見が分かれると思います。C地の方に高値をつける業者もいれば、D地の方に高値をつける業者もあります。

一見するとD地の方が形的にいびつに見えますが、デッドゾーン(※使い勝手の悪い部分)はD地の方が少ないように思いますし、注文住宅を建てるというのであれば、私ならD地を選びます。

ただし、C地もD地も使い方によっては、そこまで最悪の土地形状ではないので、大きく金額が変わってくることはないと思います。

坪単価でいうなら、A地やB地が一坪30万円だったとした場合、C地やD地では27万円とか28万円くらいではないかと予想します。

仮に一番使い勝手が悪そうなD地であっても、家屋や駐車場の配置次第では、かなり使い勝手のよい土地とも考えることができます。

一見すると、使い勝手の悪いデッドスペースのように思いますが、このように配置すると、小さいお子さんがいたり、犬を飼っている場合など、道路に面しない広い庭がつくれるのはプラス評価とも考えることもできますし、購入希望者へのアピールポイントにもなります。

ですので、土地の地形が悪いからといって、C地やD地の価格がかなり低い場合は、その土地の購入も検討する余地は十分にあります。

D地は多少広い坪数があるので80坪だと仮定すると、坪単価が50,000円違えば、土地代だけでも相場より400万円も安く購入でき、その400万円をガーデニングや庭の造作費用として考えることができます。

さらに究極の考え方をするなら、D地だと以下のように余った部分を将来的に分筆して、売却することも出来なくはありません。購入金額が坪単価270,000円だったとするなら、この場合坪単価22,000円~240,000円ほどになると思いますが、決して売れない土地ではないでしょう。

土地の地形で注文住宅の建築費に影響があるのか?

土地の地形によって、注文住宅の建築費に違いがでることは良くあります。

あまりに隣家との間隔が狭かったり、進入路が細い場合は、足場の養生や重機搬入に支障がでるので、その分の追加費をあらかじめ建築費などに反映させています。

例えば、ハウスメーカーの坪単価ですが、これは建築面積が小さくなればなるほど高額になります。40坪の家の坪単価が50万円だと、30坪の家だと坪55万、60坪の家だと坪45万というように違ってきます。

またハウスメーカーの場合、使用する木材などが規格で決まっていることもあり、地形によっては対応できないというケースもあるので、そういった場合はハウスメーカーよりも柔軟性の高い建築事務所に依頼するほうが良い場合もあります。

ただそうなると、せっかく格安で手に入れた土地であっても、建築費+設計料と高くなってしまう可能性があるので、よく検討して土地購入することをおすすめします。

すでに建築したいハウスメーカーが決まっているのであれば、そのハウスメーカーの担当営業マン、設計士に一度土地をみてもらって購入を検討するようにしてください。

不整形地は税金面で得をする

余談ですが、不整形地の場合、土地の評価が落ちるので坪単価だけでなく、固定資産や相続時の税金が憂慮されることがあります。

土地の形状や用途にもよりますが、最大で40%も税金が安くなる可能性があるのです。

しかしこればかりは、補正率などが絡んでくるのでハウスメーカーの営業マンでも、明確にどれくらい税金面で得をするというのは試算しづらい部分があります。

より詳しく知りたい場合は、役場等の資産税課などに話を聞きにいくのが良いでしょう。またハウスメーカーが懇意にしている税理士がいれば、その人に一度調査してもらうことも可能なはずです。

不整形地と住宅ローンの問題

土地の購入や家の建設において、ときに不整形地が得をする場合もある。という話をしてきましたが、1つだけ大きな問題があります。それが住宅ローンの利用です。

  • 土地の購入費…2,000万円
  • 建物の建築費…3,500万円

この場合、土地購入費と建築費で合計5,500万円となります。

自己資金が1,000万円ほどあれば、大きな問題とはなりません。問題なのは自己資金がほとんどなく、そのすべてを住宅ローンで借りようと考えている場合です。

今は土地購入費と建築費の全額を融資してくれる住宅ローンも珍しくありません。しかしそれは整形地の場合です。

融資する側は、当然土地と建物を担保として押さえることになります。俗に言う「抵当権」です。

この抵当権というのは、万が一住宅ローンの返済が滞った場合、マイホームを差し押さえて売却し、その売却代金で住宅ローンの返済に充てることができる仕組みのことです。

しかし不整形地であれば、当然整形地よりも担保評価が低くなるので、融資する側が満額融資に難色を示す場合が多くあります。

結果として、希望の5,500万円を借り入れすることができず、最大で4,500万や5,000万円までしか融資できないと言われることがあります。そうなるとマイホーム計画そのものが白紙になってしまう恐れがあります。

最低でも、総費用の1割くらい自己資金がなければ、不整形地だとこのような問題に直面する恐れもあるので注意してください。

自己資金に不安があり不整形地の購入を検討している場合、必ず該当する土地を購入するという前提で融資を受ける金融機関にローン審査をお願いしてください。そして満額でどれくらいの額が融資可能なのかを聞いておくようにしましょう。

まとめ

不整形地が、必ずしもダメという訳ではありません。購入者の考え方ひとつで不整形地であっても、使い勝手の良い土地に変えることはいくらでもできます。

ただ、素人考えで判断せず、必ずプロの目でみてもらい、注文住宅を建てる際に問題となるような点がないかをあらゆる角度から検討してください。整形地に比べ、不整形地は通常よりも安くで購入できる可能性があります。

実際にどれくらい安く販売されているかは、その土地の形状や用途によって違ってきますが、なるべくなら提示されている価格で購入するのではなく、必ずダメ元でもいいので値引きの交渉はしましょう。

ただ闇雲に、坪単価を50,000円値引きしてほしいというのではなく、「補正率で考えると0.95%だと思うので、今の価格から5%値引きしてもらえませんか?」というように、値引きの根拠をはっきりと示したほうが成功する可能性は高いと思います。

そして最後に、いくら安価で購入できるといっても、住宅ローンの問題があるので、安くで購入できるからと飛びつかないことです。希望しているだけの住宅ローン融資が受けられる土地なのか、良く相談してから決めるようにしてください。

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