注文住宅の本体価格(本体工事費)の詳細な内訳について

注文住宅の本体価格(本体工事費)の詳細な内訳について

モデルハウスの見学にやってくる多くの人が、勘違いしていることがあります。それは「坪単価」に関することです。

ハウスメーカーへ見積もり依頼した経験のある人ならわかると思いますが、「坪単価×家の広さ(坪数)=家が建つ」訳ではありません。

例えば坪単価50万円だと言われて、40坪の家を建てるとします。当然、50万円の40坪で2,000万円で家が建つと想定します。しかし、実際の見積り書を見ると、おおよそ「総額2,400万円~2,500万円」という金額になっているはずです。

つまり当初想定していた2,000万円を、遥かにオーバーしています。

このオーバーしてしまう理由は簡単です。

ただ家を建てるだけなら、坪単価50万円×家の広さ40坪=2,000万円で建てることができます。しかし、実際にその家を建てるためには、地盤補強(改良)、給排水のための工事や、庭や駐車場の外溝造園工事が必要です。更にその家に住むための登記や、引っ越し費用もかかります。

つまり建物以外にも、多くのお金が必要になるということです。

そのため、「建物価格(本体工事費)75%」「付帯工事費15%」「諸経費10%」という内訳で考えるのが一般的です。

この3種類を一度に解説すると長くなりますので、今回は本体工事費について詳しく解説していきます。

坪単価は各業者によって考え方が違う

まず本体工事費の話をする前に、坪単価について少し補足をします。

場面を想像してください。モデルハウスの見学時、営業マンの案内があります。お客さんが、「この家は坪いくらなのか」という質問をします。すると営業マンがこう回答しました。

  • 営業マンA

    「ウチは坪単価50万円です」

  • 営業マンB

    「この展示場仕様だと65万円です」

  • 営業マンC

    「ウチはだいたい坪60万円くらいで、全てまかなうことができます」

もちろんこのA~Cの営業マンは全て同じ会社の営業マンです。なぜ営業マンによって坪単価の説明が違うのでしょうか。それは、下記のような理由により価格にズレが生じます。

  • 営業マンA

    その会社のいちばん売れ筋商品の坪単価を答えた。

  • 営業マンB

    オプション仕様のモデルハウスを建てる場合の坪単価を答えた。

  • 営業マンC

    本体工事だけでなく、付帯工事や諸費用まで全て込みで考えた総額として坪単価に換算して答えた。

この3人の営業マンの答えは、どれも間違いではありません。

このように、営業マンによって答える坪単価が違っていることは珍しくありませんし、それを会社別に置き代えることもできます。

例えば、A社が掲げている坪単価は、本体工事費だけの価格、しかしB社が掲げている坪単価は、付帯工事や諸費用まで込みの価格です。こうなると、坪単価というのがどれほど信憑性のないものなのか、ご理解頂けるのではないでしょうか。

ただし、坪単価が全く意味のないものということではなく、聞き手側の知識で解決できる問題だということなのです。闇雲に坪単位を聞くのではなく、そこからあと一歩踏み込んだ質問をして欲しいということです。

  • 客「この家は坪単価いくらなの?」
  • 営業「ウチは坪50万円です」
  • 客「でもここはモデルハウスだから、ほとんど高級なオプション品ばかりでしょ?」
  • 営業「いえウチは、このモデルハウスが標準仕様となっています」
  • 客「え!そうなの?でもそれとは別に工事費とか諸費用もかかるんだよね?」
  • 営業「そうですね。外溝工事や登記などの費用もかかります」
  • 客「だいたい建物以外でどれくらいの費用がかかるの?」
  • 営業「あくまでも一般論ですが、建物価格の2割程度だと考えて頂ければよいかと」

ここまで聞けば、その住宅会社での費用は概算できます。このように坪単価というのは、業者側が使う場合、非常に便利で曖昧な言葉だということをご理解頂けたのではないでしょうか。

本体工事費の内訳

本体工事費とはその言葉通り、建物本体にかかる工事費用のことを指します。庭や駐車場の造成に掛かる費用などは一切含まれていません。

一般的に、住宅会社の広告に「坪39.8万円」などと書かれている場合や、建売住宅の「2,480万円」というのは、この本体価格のことだけを指しているケースがほとんどです。

坪単価×家の広さ(坪数)=本体工事費

本体工事費+付帯工事費+諸費用=建築費用の総額

本体工事費の内訳は、業者によって標準仕様の範囲が異なるため、一概にどこまでが本体工事費とは断言できません。これから紹介する項目は、あくまでも一般的なものです。依頼する住宅会社によっては、標準仕様だと思っていたものが、別途工事の対象項目になっていることもあります。

とくにローコスト住宅と言われるタマホームや、アイフルホームなどは、大手ハウスメーカーで標準仕様となっている部分までオプション仕様になっていることが多々あります。

決してローコスト住宅が悪いということではありません。押入れひとつ分減らすことで、坪単価が安くなるのであれば、それを望むお客さんも大勢いるからです。ローコスト住宅にはローコスト住宅なりの良さが存分にあります。

本体工事費の内訳

工事内訳 内容
仮設工事費 足場、工事用電器、現場用トイレや水道、廃材のゴミ箱などの設置
基礎工事費 建物の基礎部分の工事費用、ベタ基礎・布基礎が標準になっている場合が多く、杭工事などは別途
躯体工事費 建物の躯体となる部分を組みあげるための工事(一般的な大工作業のこと)
建具工事費 室内のドアや襖などを取りつける工事
内装工事費 建物内の壁や天井、床フローリングなどの取りつけ作業。カーテンや照明は別途
断熱工事費 断熱材などを設置する作業
タイル・左官工事費 玄関や風呂など、タイル貼りや左官工事
ガラスサッシ工事費 窓ガラスの取りつけや防水工事
屋根板金工事費 屋根瓦やガルバニウムの設置、雨どいなどの設置作業
外壁工事費 外壁の塗装やサイディングなど、外壁仕上げ全般の作業
防腐・防蟻処理工事費 シロアリや腐材から守るための作業
空調工事費 24時間換気システムや空調ダクトの設置作業。エアコンは別途
電気工事費 電気の配線やコンセントの設置。コンセントの数は一定数。それ以上は別途
配管工事費 水道やガスなどの配管作業
設備品の設置工事費 システムキッチン、バス、トイレなどの設置工事
内装仕上げ工事費 壁や天井に塗装や壁紙を貼ったりする装飾仕上げ工事

細部まで拾い出せば、これ以上に細かな作業が出てきますが、ここに挙げている作業が一般的な本体工事費用の内訳です。工事とは別なので、あえて書いていませんが、本体工事費の中には作業員の人件費や、建築資材の運搬費用なども含まれます。

自分が支払うお金が、どのような事に使われ家が建つのかを理解するのは大切なことです。こだわりのマイホームを予算オーバーしないために、事前準備としての知識を深めることをお勧めします。

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