外壁材の種類による費用や性能の違い

注文住宅の外壁選びはどれにしたらいいのか?悩んでいる人が多いと思います。実際、以下のようにハウスメーカーごとに採用してる外壁材の種類が異なります。

ハウスメーカー名 外壁材の種類
積水ハウス プレキャストコンクリート
ダイワハウス 窯業系サイディング
セキスイハイム 磁器タイル
へーベルハウス ALCコンクリート
住友林業 シーサンドコート(吹付)
一条工務店 ハイドロテクトタイル
パナホーム 磁器タイル
ミサワホーム ALCコンクリート

※グレードや商品によっては、別の外壁となるケースもあります。

もちろんこちらが指定すれば、外壁材を変更することが可能なケースもありますが、そうなると当然追加費用が発生してしまいます。

この記事では、外壁材の種類による費用や性能の違いについて解説しています。どのメーカーに依頼するかの判断基準にもなるので、ぜひ参考にしてください。

【目次】外壁材の種類による費用や性能の違い
  1. 外壁の役割
  2. 外壁材の種類
    1. サイディング
    2. モルタル塗り
    3. タイル
    4. ALC
  3. 外壁材の価格相場
  4. 外壁材の比較一覧
  5. 塗装の種類
  6. まとめ

外壁の役割

なぜ外壁選びが大事なのか、そしてなぜ10年や15年で外壁のリフォームをする人が多いのか?など、その理由を知ることも、外壁選びをするうえで、とても大事なことです。

そこでまず外壁の種類を知る前に、外壁の役割について話しをしていきたいと思います。

  • 雨風から守る
  • 腐食から守る
  • 景観を保つ
  • 騒音から守る
  • 断熱性能を向上させる

大きく分類すると、外壁にはこのような役割があります。

雨風から守る

屋根と同じように、外壁も雨や風から家を待ってくれる大事な役割を持っています。しかし経年により外壁にはヒビ割れなどが生じ、雨漏りの原因となることも珍しくありません。

そうならないためにも、定期的に外壁の塗装などのメンテナンスをしてあげなければならないのです。ですので新築時には、なるべく雨風に強い外壁材を選ぶことが大事です。

腐食から守る

雨風に合わせ紫外線にさらされている外壁は、経年により腐食していきます。

腐食は目に見えない外壁の中から進行していき、目で確認できるようになると、すでに手遅れなんてことも珍しくありません。

景観を保つ

屋根と違い、外壁は人の目に触れやすい場所です。また外壁の色や種類によって、その家の表情も全然違ったものになります。

いつまでも美しい家を保つためには、外壁材の役割はとても重要です。

騒音から守る

屋外の騒音を気にすることなく、快適に過ごせているのは、窓や外壁材が屋外の騒音をシャットアウトしてくれているからです。

外壁材の厚みや種類によって、防音効果も違ってくるので、外の音が気になる方は、防音効果の高い外壁材を選ぶようにしましょう。

断熱性能を向上させる

外壁材の種類よっては、断熱効果があるものもあれば、断熱材の設置に一役かってるものもあります。いくら良い断熱材を入れても、それをカバーできなければ意味がありません。

断熱材と外壁材の相性などもありますので、どのような断熱材を採用するかによって、設置する外壁材も変わってきます。

外壁材の種類

外壁材の種類は細かく分類すればきりがありません。そこで今回は、主要の4種類について解説していきたいと思います。

  • サイディング
  • モルタル塗り
  • タイル
  • ALC

ただ基本的に外壁というのは、塗るか貼るのどちらかだと考えておくとわかりやすいかもしれません。モルタルや漆喰などで壁を塗ると考えるか、サイディングやALCなどで壁を貼るというイメージです。

ちょっと偏見かもしれませんが、
昔の家の主流=壁を塗る
今の家の主流=壁を貼る

その証拠に今の新築住宅の80%以上が、壁を貼る外壁材を選んでいます。

サイディング

サイディングとは、壁に貼っていく板材のことだと思ってください。新築はもちろん、古い家のリフォームなどにも多用されている外壁材です。

特徴としては安価な割りにデザイン性が豊富で、職人の腕にあまり左右されず、比較的簡単に設置することができる点です。

ただサイディングの最大のデメリットは、メンテナンスのコストが高くなることです。

10年ほどで大掛かりなメンテナンスが必要と言われており、その際の費用は100万円~150万円ほどを見ておく必要があります。

初期コストが安価で、デザイン性が豊富なこともあり、近年では新築の7割以上の住宅に採用されている最もポピュラーな外壁材ですが、このようにメンテナンスに多額の費用がかかることを知らずに設置してる家も多いのではないでしょうか。

目先の安さだけで決めてしまうのではなく、将来的なメンテナンスのコスト面にもしっかり目を向けながら、外壁材選びをするように心がけておくようにしましょう。

ただサイディングといっても、大きく2つに分類されます。

  • 窯業系サイディング
  • 金属系サイディング

といっても、ほぼ大半が窯業系サイディングです。

窯業系サイディング

某機関の調査によると、近年の新築住宅の78%がこの窯業系(ようぎょうけい)サイディングを設置しているそうです。それだけの圧倒的なシェアを誇る窯業系サイディングですが、どのような特徴があるのでしょうか。

窯業系サイディング

出典:StyleDesignl

このように窯業系サイディングのデザインは豊富で、いろんなバリエーションから好きなタイプを選ぶことができます。

窯業系サイディングの主成分はセメントで、そのほか繊維などが含まれています。

デメリット部分をあげるなら、防水性だと思います。窯業系サイディングそのものには、防水効果がないので、防水性が高い塗装などでカバーしています。

そのため経年によって塗装が剥げたりすると、そこから雨漏りを引き起こすことがあるのです。

厚みは14mm以上でなければならないという規制があるので、最低14mm、一般的には16mmタイプものが多いようです。

当然厚みがあれば、それだけ防音や断熱効果も高くなります。しかも14mmタイプと16mmタイプでは、一般的な住宅の大きさである40坪の家だと100万円ほど違ってきます。
ハウスメーカーを決める際には、もしこの窯業系サイディングが標準仕様となっている場合、かならず14mmタイプなのか、16mmタイプなのか確認することは忘れないでください。

金属系サイディング

最近よく耳にする「ガルバリウム鋼板」などの外壁が、この金属系サイディングだと思ってください。金属板と断熱効果が高い材質から成り立っており、そのぶん窯業系サイディングよりも高価です。

金属系サイディング

出典:スキンシップフロアの家

全体的なシェアとしては、窯業サイディングには大きく差をあけられていますが、新築の5%ほどで採用されています。

最大の特徴は外壁材の中でも、トップクラスの断熱性を持ち合わせていることから、とくに寒冷地などの家に採用されるケースが多いということです。

軽量なので、既存住宅の壁に重ね張りすることもできるため、リフォームに多く用いられるのですが、金属サイディングという名の通り、サビを起こしやすく塩害被害が考えられる地域であれば、より慎重に検討することをおすすめします。

モルタル塗り

モルタル塗りは、サイディングが登場するまで、日本住宅では一番多く採用されていた外壁の種類です。セメント、砂、水を混ぜ合わせたモルタルを、網状の金物の上から左官によって塗りながら外壁をつくっていく方式です。

サイディングのように工場で規格生産された商品ではなく、まさに職人の腕ひとつで作りあげていく外壁なだけに、職人の技量によって大きく出来栄えも左右されてしまいます。

モルタル塗り

出典:左官ブログ バントウサンのひとり言

モルタルの特徴の1つが、デザイン性だといえます。モルタルの塗り方だったり、その上に吹き付ける塗装方法によって、さまざま模様をつくることができるのですが、その中でも特徴的な4つを紹介しておきます。

  • ジョリパット
  • リシン
  • スキン
  • スタッコ
【ジョリパット】

ジョリパット

出典:OFFICE CHAMP

このように温かみのある大きな模様が特徴的です。

【リシン】

リシン

出典:OFFICE CHAMP

じつは私管理人の実家の外壁がこのリシンです。

【スキン】

スキン

出典:OFFICE CHAMP

いまでも新築の戸建て住宅に用いられるケースが多いのが、このスキンです。

【スタッコ】

スタッコ

出典:OFFICE CHAMP

リシンをより厚くしたタイプだと思ってください。

タイル

外壁タイルの家も最近増えましたよね。パッと見て、一番高級感を感じるのが、この外壁タイルだと思います。

外壁タイル

出典:建築の仕事と納まり詳細と

タイルを作るためには、粘土を1300℃もの高温で焼き固めます。つまりそれだけ耐火性にも優れているということです。外壁がタイルというだけで、高級感や重厚感を感じる家になります。

しかし問題はコスト面と安全性です。タイルが他の外壁材と比べて高額なのは、見ただけでもわかります。そして重量感があるので、地震などの際に剥がれ落ちてしまう危険性があります。

以前は貼ったタイルが経年劣化と共に浮いてくることが問題視されていましたが、最近は昔のようにセメントで貼るのではなく、タイル用接着剤や専用の金具を使って貼るため、タイル浮きなどの心配はほとんどなくなりました。

ALC

一見するとサイディング外壁材と同じように見えますが、簡単に言ってしまえばサイディング外壁材の上位モデルのような捉え方になります。

サイディングと比べると、遮音性、断熱性、耐久性など、あらゆる面で上回ってます。もちろんその分、サイディングと比べるとかなり高額です。

ALC

出典:外壁塗装のミヤケン

コンクリートは耐火性に優れているのはご存知だと思いますが、コンクリートって重いですよね。ですので戸建て住宅の外壁には不向きです。そこで開発されたのが軽量気泡コンクリートのALCです。軽量気泡というだけあり、重量感は相当軽く仕上がってます。

坪単価が一番高いと言われているへーベルハウスが採用してる外壁材として有名ですが、だからといって地元工務店などで家を建てるときに、安易にALCの外壁材にしてしまうと、防水面などで大変な目にあう可能性があるので要注意です。

ALCそのものには防水性がないため、防水効果の高い塗装で補っています。しかし普段あまりALCを使わない建築会社だと、防水塗装で適切な処理ができず、後々のメンテナンスに大きく影響してきます。

このALC外壁材を採用する場合は、それ相応の知識がある建築会社に依頼するようにしてください。

外壁材の価格相場

ここでは各外壁材のおおよその価格(設置コスト)について、紹介していきたいと思います。冒頭でも言いましたが、ほとんどのハウスメーカーでは使用する外壁材は基本仕様として決まってます。

どうしても自分のこだわりがある外壁材を設置したいのであれば、それが可能なのか事前に相談すること、もしくはオール自由設計の建築事務所に依頼するようにしましょう。その際の目安として、各外壁材のコストを知っておくのは重要なことだと思います。

窯業系サイディングの価格

外壁材の厚みによって金額が大きく違ってきます。一般的に使用されている14ミリタイプの窯業系サイディングで1㎡あたり3,000円~、15ミリタイプになると1㎡あたり4,500円くらいを想定しておきましょう。

40坪(約171㎡)の家に換算すると、
14ミリタイプ=171㎡×3,000円=約510,000円
15ミリタイプ=171㎡×4,500円=約770,000円

そして無塗装品だと、そこから塗装の吹き付け費用がかかるので、1㎡あたりプラス1,500円~2,000円ほどが必要となります。

金属サイディングの価格

最近の主流となっているガルバリウム鋼板とアルミ製のコストを紹介しておきます。これも厚みや塗装の種類によって金額が大きく異なるのですが、あくまでも一般的な費用を紹介しておきます。

ガルバリウム鋼板=3,500円~5,000円
アルミ製=5,000円~8,000円

40坪(171㎡)の家に換算すると、
ガルバリウム鋼板=約600,000円~
アルミ製=約850,000円~

モルタル塗りの価格

左官さんなどの職人に日当を払って来てもらわないといけないので、日数や作業の内容によって金額は全然違ってきます。

あくまでもおおよその目安ですが、一番安価に見積もっても1㎡あたり5,000円くらいを考えておくのが無難だと思います。

40坪(171㎡)の家に換算すると、
5,000円×171=約850,000円~

タイルの価格

タイルを外壁にする場合、タイルを貼る下地材が必要です。一般的にはサイディングを使用するのですが、ALCでも大丈夫です。

当然、下地材用のサイディングやALCの費用がプラスされるので、各外壁材のなかでも一番高価になることは容易に想像できます。

タイルにも種類がありますが、一番安価な磁器質タイプのタイルでも、1㎡あたり3,000円くらいになります。

つまり下地材を窯業系サイディングにしても、サイディング代が1㎡3,000円くらいになるので、プラスすると㎡6,000円は最低でも見ておく必要があります。

40坪(171㎡)の家に換算すると、
171㎡×6,000円=約1,020,000円~

ALCの価格

あのへーベルハウスが採用してることからも、高いことは想像できると思います。

外壁材の中では、すべてにおいてトップクラスの性能を誇っている外壁材なので、そなりの金額になってしかるべきなのです。

1㎡あたりは塗装費まで込みで、およそ7,000円~と考えておいてください。

40坪(171㎡)の家に換算すると、
171㎡×7,000円=約1,200,000円~

防水性に優れた塗装にしたい場合は、さらに1㎡あたり、2,000円~3,000円くらいプラスになると考えておきましょう。

外壁材の比較一覧

せっかくですので、今回紹介した5つの外壁材を、わかりやすいように一覧比較してみたいと思います。

断熱性 耐火性 遮音性 耐久性 費用コスト(㎡)
窯業系サイディング 3,000円~
金属サイディング 3,500円~
モルタル塗り 5,000円~
タイル外壁 6,000円~
ALCボード 7,000円~

この表をみてもわかるように、高額になればなるほど、あらゆる性能が向上しています。

基本的には、これら外壁の費用というのは建築会社の坪単価に含まれている部分なので、そういったことまで踏まえて、各ハウスメーカーの坪単価などを比較すると良いのではないでしょうか。

塗装の種類

外壁材を選ぶとき、塗装選びに悩む人も多いので、あわせて各塗装の特徴についても簡単に触れておきたいと思います。主に使用される塗装類は、以下の6種類があります。

  • アクリル系塗料
  • ウレタン系塗料
  • シリコン系塗料
  • フッ素系塗料
  • 遮熱塗料
  • 光触媒塗料

アクリル系塗料

15年ほど前に登場した、比較的新しい部類の塗料です。当初は安価だったため、多くの住宅にも採用されましたが、耐久性の悪さが目立ち、今では新築に使われることはほとんどありません。

耐用年数が5年~7年程度と他の塗料に比べ、極端に短いことから、短いスパーンでのメンテナンスが必要とされており、長い目で考えると決しておすすめできる塗料ではありません。

最近ではリフォームによる外壁の塗り替えなどの際に、すごく安価なイメージを作るために宣伝用として用いられたりしています。

ただ建築業者によっては、費用を抑えるために新築であっても、このアクリル塗料を使うことが稀にあるので、必ず確認しておくようにしましょう。

ウレタン系塗料

ウレタン塗料は、シリコン系の塗料が出てくるまで、主要塗料として多くの場面で使用されていました。もちろん新築住宅も例外ではなく、一昔前までは一番ポピュラーな外壁塗料だったといえるでしょう。

ウレタン塗料の優れている点は、低コスト、耐久性にあります。非常にバランスが取れている塗料であるため、万能塗料とも言われ、戸建て住宅の外壁塗料としても主流であり、多くの住宅に用いられていました。

耐用年数は7年~10年と、アクリル塗料に比べて相当長いです。

シリコン系塗料

アクリル塗料やウレタン塗料よりは、多少費用的に高額になりますが、耐用年数は12年~15年と長いです。

長期的な目でみれば、多少高くても耐用年数が長く、耐久性やコスト面から、今では多くの戸建て住宅の外壁塗料として用いられています。

とくに最近まで戸建て住宅に良く使用されていた、ウレタン塗料と比較してもコスト的にほぼ同程度というのも支持されている要因の1つです。

フッ素系塗料

戸建て住宅に使用される塗料の中では一番高価な部類になるのが、このフッ素塗料です。耐用年数も20年と一番長いのですが、高額なコスト面がネックとなり、需要としてはシリコン塗料には及びません。

それでも資金的に余裕があるのでしたら、ぜひフッ素塗料も検討してみてください。旅客機や東京スカイツリーにも使用されていることから、耐久性や熱射性で考えても優れているのは明らかです。

一昔前に比べると、それでもずいぶんと安価になっています。耐用年数20年ということを考慮すれば、他の塗料よりも長い目でみたらコストの面でも、きっと見劣りしないはずです。

遮熱塗料

比較的新しい塗料なのですが、この遮熱塗料の特徴としては、その名の通り、太陽光などの熱を跳ね返す効果があり、その結果、外壁や屋根などに熱を蓄えないため、高い断熱効果が期待できます。

耐用年数も20年と長く、多少コストは高くなってでも、検討しておく価値のある次世代塗料の1つだと思います。

もう少しコストが下がれば、シリコン塗料やフッ素塗料にかわって、戸建て住宅を代表する塗料になってくる可能性が十分にあると思っています。

光触媒塗料

こちらの光触媒塗料も、遮熱塗料と同様、次世代塗料として今注目を集めている塗料の1つです。

遮熱塗料が太陽光を反射してしまう性質があるのに対して、こちらの光触媒塗料は、太陽光のチカラを借り、壁に付着している汚れを分解する能力があります。

分解された汚れは雨によって荒い流されてしまいます。つまり何もしなくても、勝手に汚れを落としてくれる優れた塗料なんです。

最近は大手ハウスメーカーでも、この光触媒塗料を採用しだしており、別名「ハイドロテクト塗装」などの名称をつけています。

とりあえず耐用年数は20年とされていますが、実際にはもっと長くなるのではないかと予想されています。
ただなにぶん出たばかりの新型塗料なので、本当に20年持つかどうかはこれから明らかになってくると思います。

まとめ

今回は家の外壁について話しをしてきました。新築住宅の80%近く採用されている窯業系サイディングが、やはり一番可能性としては高い外壁材なのかなと思います。

ただ資金的に余裕があるのでしたら、各分野において優れているALCの設置を検討することもおすすめしておきたいと思います。

ALCの外壁材にハイドロテクト塗料というのが、現時点においては最強の組み合わせなのかもしれません。それかタイルやレンガの下地材にALCを使用し、ハイドロテクト塗料というも相当贅沢な外壁になると思います。

外壁を選ぶときは、10年後や15年後のメンテナンスのことまで考え、トータル的なコストパフォーマンスで選んでおくことをおすすめしておきます。

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