大手ハウスメーカーと地元パワービルダーの違いやそれぞれの得意分野

注文住宅を建てるとき、大手のハウスメーカーと地元パワービルダー系の会社、どちらに依頼するのが良いのか迷っている人も多いのではないでしょうか。

住宅会社にはハウスメーカー、ビルダー、工務店、建築事務所など、いくつかの依頼先があり、どの会社も家を作ってくれるという面で見れば同じですが、それぞれ特徴や工法などが違います。

注文住宅を建てようと考えている方の中には、建てる家のイメージができている人もいると思いますが、依頼先によってイメージどおりに家が建たない場合もあるので注意が必要です。

今回は、大手ハウスメーカーと地元パワービルダー系の違いや特徴を、わかりやすく解説します。

大手ハウスメーカーと地元パワービルダーの違い

ビルダーという言葉が頻繁に使われだしたのは最近のことです。それまでは地元工務店や地元建築会社という言い方をしていたのですが、最近は工務店とビルダーを使い分けるようになってきました。

まず、パワービルダーの位置づけについて説明しておきます。

ハウスメーカー、パワービルダー、工務店の位置づけ

この3社は、販売戦略や扱っている家の分野が異なります。この後に詳しく解説しますので、ここでは簡単な特徴だけ覚えておいて下さい。

ハウスメーカー

積水ハウスや大和ハウスなど、全国展開している。タマホームなどのローコスト住宅も含む。年間500棟以上の着工実績がある。

パワービルダー

地元だけでなく、隣県などでも知名度があるような大手工務店。土地分譲開発や建売住宅なども手がける。
年間50~200棟程度はハウスビルダー。年間200~500棟はパワービルダー。

工務店

大工さんや職人さんを抱えている地元密着型の比較的小規模な建築会社。年間着工数は50棟未満。

これらの区別には決まった定義がありませんので、判断する人によって異なるのですが、ここではこの位置づけで話をしていきたいと思います。

ハウスメーカーとパワービルダーの違いはこれだけではありません。さまざまな違いがあるので、ここから詳しく解説していきます。

ハウスメーカーとパワービルダーの勢力図

ハウスメーカーとパワービルダーでは、ハウスメーカーが市場の大多数を占めているように思われていますが、実際のところどうなのでしょうか。

日本住宅供給センターが公表している、「首都圏における年間施工棟数のシェア率」のグラフをご覧ください。

年間1,000棟以上を受注している大手ハウスメーカーの割合は、市場の16%です。一方、年間100棟以下の工務店やビルダー系が、市場の6割近くを占めていることがわかります。

500棟以下のパワービルダーまで含めると、市場の割合はハウスメーカー25%、工務店&ビルダー系が75%くらいになります。

つまり、注文住宅を建てる人の7割以上が、ハウスメーカーではなく地元工務店や地元ビルダー系の住宅会社に依頼していることになります。

工法の違い

大手ハウスメーカーと地元パワービルダーの違いで代表的なのが、建物の工法の違いです。

ハウスメーカーであれば、木造、軽量鉄骨、RC造など、自分の好きな工法を扱っているハウスメーカーを選ぶことができますが、地元工務店やビルダー系になるとそうもいきません。

工務店やビルダーのメイン商品は木造住宅であり、軽量鉄骨やRC造を手がけている工務店やビルダーを探すのは、かなり難解です。

東京や大阪などの大都市圏であれば、そのような工務店やビルダーを探すこともできますが、少し地方へいくと木造系が大半を占めています。

木造といっても、軸組工法、2×4、パネル工法など、色々な工法があります。2×4やパネル工法は、規格化された部材を使用するため、それらの部材をプレカットする工場が必要になります。

よって、会社の規模が小さくなればなるほど、現場でいちから組み上げていく「在来軸組工法」に限定されがちです。

ハウスメーカー 木造軸組、2×4、木質パネル工法、軽量鉄骨、RC造など
パワービルダー 木造軸組、2×4、木質パネル工法
工務店 木造軸組

料金の違い

同じ注文住宅でも、ハウスメーカーやビルダーで価格差があります。

一般的には、「ハウスメーカー>ビルダー>工務店」となっていますが、タマホームのようにローコスト住宅を主体とするハウスメーカーも多いので、一概に料金だけで区別することが難しくなっています。

あくまでも目安ですが、以下のように区別することができます。

業種 平均坪単価
大手ハウスメーカー 65万円~80万円
ハウスメーカー(ローコスト住宅) 35万円~50万円
パワービルダー 45万円~55万円
地元工務店 35万円~50万円

ハウスメーカーといっても、坪単価80万円超える業者もありますし、40万円前後で納まる業者もあります。

ビルダー系も、ハウスメーカー並みの坪単価を設定している業者もあれば、地域最安値の20万円台を売りにしているケースもあります。

工務店だと、価格は安価におさまるケースが比較的に多いのですが、材木や設備(キッチンなど)にこだわれば、どこまででも青天井で価格が跳ね上がるのも特徴です。

営業力(集客力)の違い

全国展開しているハウスメーカーの方が資金的な余裕があるので、宣伝力や営業力は当然格段に上です。

テレビCMをはじめ、各地域に住宅展示場を出展するなど、知名度を上げるためであれば資金を惜しまないイメージがあります。

ビルダーは、新聞折込チラシなどをメインの宣伝方法にしています。大手のビルダーになれば、地域限定のテレビCMを出している場合もありますが、ほとんどのビルダーはそこまでの資金力がありません。

各地域にあるような住宅展示場も、大手ハウスメーカーが9割を占めており、地元のビルダーは1社~2社程度というのが一般的で、それ以外のビルダーは総合住宅展示場とは別に、モデルハウスなどを建てて集客しているケースが目立ちます。

小規模な地元工務店だと、新聞の折込チラシで宣伝広告するのが精一杯で、展示場やモデルハウスを作ってまで集客するような資金的な余力はありません。

展示場やモデルハウスを持つ大手ハウスメーカーやパワービルダーは、見学にきた家族をターゲットに営業をしますが、展示場やモデルハウスを持たない工務店は、顧客の完成見学会などを実施したり、社長の人脈や過去のお客さんからの紹介に頼っている傾向が強いです。

アフターや保証力の違い

注文住宅の場合、家を建てて終わりではありません。むしろ、家を建ててから建築会社との付き合いがスタートする、と言っても過言ではありません。

数千万円もする高価な買い物なので、アフターメンテナンスであったり、いざというときの保証は必須です。

ハウスメーカーやビルダー、工務店でもアフターや保証はしっかりとつけてもらえるのですが、大きなトラブルが起きてしまった時が問題です。

ここでの大きなトラブルとは、建築を依頼していた業者の倒産リスクのことです。

ハウスメーカーともなれば、1つの団地が地盤沈下などで壊滅してしまっても、なんとか保証をしても乗り切れるだけの体力はあります。

しかし、ビルダーや地元工務店となれば、そこまでの体力を持ち合わせている会社はほとんどないでしょう。

購入した家では、地盤沈下や欠陥住宅だったとしても、保険で対応できるようになっていますが、あくまでも家を建てた人(個人)の話です。

もしビルダーや地元工務店が、土地開発や分譲団地などを手がけていた場合は、まだ売れていなかった区画の家や土地は売り物にならなくなり、会社の経営に大きなダメージを与え、倒産してしまう可能性も大いに考えられます。

自分の家は、保険で最低限の対応はしてもらえますが、その家を建てた業者が倒産してしまうとなると不安しか残りません。

こういった最悪のケースを考えると、やはり体力のあるハウスメーカーの方が安心、というのは事実だと思います。

それぞれ得意分野がある

ハウスメーカー、パワービルダー、工務店、それぞれに得意分野があることも知っておきましょう。

ハウスメーカーの得意分野

ハウスメーカーの得意分野は、豊富な資金による宣伝力や規格力です。各地に住宅展示場を展開させ、抜群の集客力を誇っています。

注文住宅とは別に規格住宅も扱っており、幅広い価格帯に対応できるのも強みですし、木造住宅だけでなく軽量鉄骨や鉄筋コンクリートなど、幅広い工法にも対応してくれます。

ビルダーや工務店が手がけないような店舗兼用や地下室なども、これまでのノウハウがあるので信頼して任せることができますし、いざというときの保証もしっかりしているのが強みです。

パワービルダーの得意分野

ビルダーの強みは、土地開発から手がけている業者が多いことです。

大規模開発によって分譲されているような土地は、大半が地元のパワービルダーが手がけていることが多いです。土地開発にはあまり手を出さないハウスメーカーとは違います。

土地開発だけでなく、分譲地で建売住宅も手がけているビルダーも多くあります。

人気が高い地域だと、新たに売り地を探すのは困難なのですが、ビルダーは土地開発から手がけているため、人気の高い地域にも新たに土地を購入して、新築住宅を建てることができるという強みがあります。

工務店の得意分野

工務店の多くは、年間着工件数が10棟未満だったりします。それだけ1棟1棟丁寧に向き合っている印象が強いです。

地元密着で営業されている工務店は、1棟でも何か失敗してしまうと、その評判で会社が傾いてしまう可能性もあるので、ハウスメーカーやビルダーよりも丁寧な家作りが求められます。

時間をかけて、丁寧にゆっくり手がけてくれるので、家作りにこだわりがある人は工務店を選ぶ傾向が強いです。

ただし、ほとんどが木造の軸組工法に限定されるため、その他の工法を希望するのは厳しいかもしれません。

まとめ

会社名がブランドのようになっているハウスメーカー、地域密着で1棟1棟を大事にしている工務店、ハウスメーカーと工務店の中間に位置しているビルダー。

どの業種にしても一長一短があり、得意分野も違います。価格的な問題もあると思いますが、自分にあったスタイルの業種を選ぶことが、家作りの第一歩だと思います。

ハウスメーカー、ビルダー、工務店すべての話を聞いてから、どのスタイルが自分たちに一番合っているのかを見極めるようにしましょう。

仕事をしている方は、各業者の話を聞いてまわるだけでも相当な時間が必要なので、そこはネットの一括資料請求サイトなどを上手く使って、効率よく比較検討しましょう。

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