玄関は靴箱や収納を考慮した広さで設計しよう

今回は注文住宅の玄関について話しをしていきたいと思います。玄関というのは、一番出入りする場所でもあり、来客者がかならず目にする場所でもあります。

よく言われるのが「玄関はその家の顔」ってことです。まさにその通りだと思います。来客がきたときに恥ずかしくない、そして家族が一番使う場所なので後悔がない玄関づくりを目指しましょう。

最初に言っておきます。失敗しない玄関づくりで大事なのは、以下の5つのポイントです。

  • 広さ
  • 収納
  • バリアフリー
  • 採光
  • 動線

この5つのポイントをしっかりと意識しておけば、きっと後悔のない素敵な玄関づくりができるはずです。

【目次】玄関は靴箱や収納を考慮した広さで設計する
  1. 広すぎるくらいで、ちょうど良い
  2. 大きすぎる下駄箱は将来邪魔になる
    1. 玄関クロークとは?
  3. バリアフリーを意識した玄関づくり
    1. 介護用手摺りの設置などは慎重に
  4. 暗い玄関は失敗
  5. 玄関からの動線に気をつけて
  6. 断熱材に注意

広すぎるくらいで、ちょうど良い

狭小地の狭小住宅なら話しは別ですが、標準的な家であれば、玄関の広さは「ちょっと広すぎるかな」ってくらいでちょうど良いです。

ご存知かと思いますが、玄関は同じ広さでも奥行きが広いよりも、横幅が広いほうが圧倒的に利便性が高いです。

玄関の広さ

玄関の広さ

出典:Panasonic「初心者のための間取りづくりの手引き」

この2点はどちらも2坪タイプの玄関です。ですが横幅が広いほうがゆったりした玄関のように感じませんか?

なるべく家の坪数を減らして、建築コストを安くしたいときは、このように横幅が広い玄関にすることで、坪数を抑えながら広めの玄関イメージを実現できるので、覚えておいてください。

そして敷地と資金に余裕があるのであれば、玄関は少し広めに作っておくことをおすすめします。

実際に管理人が注文住宅の営業マンをしていたときも、トイレの不満と同じくらい、玄関をもう少し広くしておけば良かったという施主が多かったです。

理想としては2坪、どんなに小さくても1.5坪くらいの広さは確保しておくようにしましょう。

大きすぎる下駄箱は将来邪魔になる

次は玄関の収納についてです。玄関の収納といえば、靴を入れる下駄箱と、傘や小物を収納できる棚がついてるものが一般的です。

よく施主の希望として「下駄箱は大きいものが良い」といわれるのですが、将来的に子供たちが家を出て行って独立してしまったら、大きい下駄箱は邪魔でしかありません。

ですので下駄箱を大きくするという発想ではなく、大きい収納を設置するという発想の方が、後々のことを考えると利便性が高いと思います。

大きな下駄箱

出典:News2u.net

広い玄関だったら、多少大きな下駄箱や収納があっても大丈夫ですが、1.5坪くらいの玄関にこんな大きな下駄箱があったら邪魔じゃありませんか?

そこで提案なんですが、管理人がおすすめしてる玄関収納は、必要最低限の下駄箱だけを設置しておき、他の靴や小道具類は別の収納にしまうという考え方です。

その別の収納というのが、最近流行っている「玄関クローク」や「シューズクローク」です。ただ言い方の違いだけで、玄関クロークもシューズクロークも同じ意味です。

玄関クロークとは?

玄関クロークというのは、玄関横に設置する納戸のようなものだと思ってください。もっとわかりやすく言うなら、玄関となりにウォークインクローゼットのようスペースを設置することです。

玄関クローク

出典:菊池建設株式会社「お客様の声」

このように玄関クロークを設置することで、季節に合わない靴はしまっておくことができますし、玄関の場所取りをしてしまう傘立てやゴルフ道具なども見えない部分に収納しておくことができます。

また最近は玄関クロークの中にペット用の足洗い場を設置する家庭も増えているようです。

玄関クローク

出典:タグル住まい

玄関クロークがあることで、実際の玄関部分には上図のように、必要最低限の下駄箱だけを設置しておけば良いので、玄関全体をすっきり見せることができますし、小物などを飾り付けてオシャレな玄関を創ることもできます。

バリアフリーを意識した玄関づくり

バリアフリーを意識した玄関を希望する施主が増えていますが、ただ単にバリアフリーだからフラットにすれば良いというものではありません。

玄関におけるバリアフリーが一番難しく、その家に住む人の特徴に合わせたバリアフリー玄関を意識しなければなりません。

例えば上がり框をなくし、なるべくフラットにしたほうが断差がなくなり良いと感じるかもしれませんが、高齢の人にしてみれば、上がり框がないことが不憫に感じることも少なくないのです。

高齢の人たちは、靴を履いたり脱いだりするのも一苦労で、上がり框部分に腰掛ながら靴を履いたり脱いだりします。

本来ならバリアフリー的な考えから高低差0cmというのが、今の流行なのでしょうが、泥や砂をなるべく室内に入れないという考えから、高低差0cmというのはおすすめしません。

車椅子の利用者がいるのであれば、高低差は10mm以下におさえ、介護が必要な高齢者がいる場合は100mm以下にしておくのが良いでしょう。

ただし上がり框部分に腰掛けて靴の脱履を日常的にやってるのでしたら、高低差300mm~400mmくらいの断差がある方が良いと思います。

本当にバリアフリーが必要な介護者がいるのでしたら、その人の利用を最優先に考えなければなりませんが、ただ単にバリアフリーが流行りだからという理由であれば、家族とよく相談して決めていくようにしましょう。

介護用手摺りの設置などは慎重に

介護用の手摺りを玄関に設置してる家も多いと思います。しかしただ設置しておけば良いというものではありません。手摺りひとつにしても、使いやすいものと使いづらいものがあります。

例えば手摺りを必要とする介護者が女性であれば、一般的な設置位置よりも少し低めに設置しなければなりませんし、握り幅の小さい手摺りの方が良いでしょう。

また右利きと左利きによっても設置する位置が違ってきます。

設計者や大工さん任せにするのではなく、実際に利用する人に試してもらいながら、設置する商品や位置は決めていくようにしましょう。

暗い玄関は失敗

玄関部分は窓を設置しづらく、どうしても暗くなりがちなので、意識して採光が入るような作りにしておくことをおすすめします。

壁面に窓を設置できるのであれば、なるべく窓は設置する方向で考え、窓がどうしても設置できないときは、玄関部分を吹き抜けにして天窓から採光を取ることも良くあります。

最近は防犯に優れたガラスもあるので、玄関ドアの一部にガラスを採用したり、玄関ドア横部分をブロックガラスにすることも効果的だと思います。

下図のようにダウンライトを使い、ちょっと薄暗いほうがオシャレという考え方もありますが、やはりお客さんを迎える場所なだけに、なるべく明るくて清潔感のある玄関を目指すのが良いと思います。

明るくて清潔感のある玄関

出典:アキュラホーム

窓のある玄関

出典:LIFULL HOME'S

このような窓を設けることで、玄関部分の採用を取ることもあるのですが、このような場合は、来客者にとって逆光にならないような位置を意識しておかなければなりません。

この写真からでも、ちょっと眩しいなと感じると思いますが、実際に朝日や西日が入ってると、さらに眩しく感じるものです。

玄関からの動線に気をつけて

最後のポイントは玄関からの動線です。動線といっても、実際に玄関から移動する動線のことではなく、動線を意識した階段やトイレの配置という意味です。

玄関のすぐ近くにトイレがあると、来客時に他の家族がトイレに行けなくなったりして困ることがあります。また玄関を入ってすぐに階段があれば、来客者からスカートの中が見えてしまうこともあります。

つねに来客者が玄関に立っていることを想像しながら、間取りの位置を決めるようにしましょう。とくにトイレや階段の位置というのは、後々リフォームで簡単に変更できるようなポイントではありません。

断熱材に注意

玄関の内装といえるかわかりませんが、注意しておいてほしいポイントがあるので書いておきます。

玄関部分というのは、先にもいったように窓の設置などが難しい部分だと言われています。狭い空間に下駄箱、収納棚、手摺り、腰掛台、ニッチ、明かりとりの窓など、いろんなものを設置しなければなりません。

そこで問題となるのが、断熱材が疎かになってしまいがちということです。

大半の建築会社は、それでもしっかりとした断熱対策をしてくれるのですが、一部の建築会社は断熱の手抜きが見られることがあります。

ですので、玄関部分の打ち合わせをするときには、必ずどの部分にどんな断熱材を入れる予定なのか、しっかりと確認しておくようにしてください。

断熱材は家全体を覆うようにしなければ、本来の断熱効果は得られませんので、少しの隙間もできないよう工夫してもらいましょう。

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