予算1,000~2,000万円台でどんな家が建てられるのか、ハウスメーカー別の間取りを紹介します。
1,000万円台であればローコスト住宅が選択肢になり、2,000万円台であれば大手ハウスメーカーでも30~35坪程度であれば建てることができます。
金額別にハウスメーカーの間取りをまとめるので、自分たちのマイホームを建てる際の参考にしてもらえばと思います。
1,000万円台の間取り例
1,000万円台の注文住宅となれば、ローコスト住宅が選択肢になります。
ただし、気になっているハウスメーカーや工務店がある場合でも、すぐに展示会等に行くのではなく、先にカタログなどを読んである程度の予算や間取りをイメージしておくのがおすすめです。
何も知識がない状態で相談に行ってしまうと、営業マンのペースで話が進んでしまい、予算や間取り決めで失敗するからです。
まずは気になっているハウスメーカーのカタログや、そこと同価格帯の別のハウスメーカーのカタログなどを数冊取り寄せてみましょう。
「LIFULL HOME'S」などのポータルサイトで、予算別のカタログが取り寄せられますので、ぜひ試してみて下さい。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
届いたカタログをじっくり見て比較すると、どんな家が建てられるのかイメージが沸いてくると思います。
アイフルホーム
アイフルホームはフランチャイズ制のローコスト住宅を日本全国に展開しています。
家の開発や部材の仕入れはアイフルホームがおこない、建築や引き渡し後のアフターメンテナンスは、フランチャイズ加盟している、各地域の住宅会社や工務店がおこないます。
間取り例
- 建物本体価格:1,500~1,999万円
- 間取り:4LDK
- 延床面積:117.50㎡ (35.5坪)
- 家族構成:3人(夫婦+子ども1人)
タマホーム
タマホームはローコスト住宅で人気のハウスメーカーで、自由設計だと坪40~45万円、規格住宅だと坪35~40万円ほどの価格帯です。
注文住宅の「大安心の家」が不動の一番人気で、標準仕様の充実度でも高い評価を得ています。
間取り例
- 建物本体価格:1,500~1,999万円
- 間取り:4LDK
- 延床面積:121.50㎡ (36.7坪)
- 家族構成:6人(夫婦+子ども2人+祖父母)
ゼロキューブ
低コストでマイホームを建てることができると話題なのが、デザイナーズ住宅のゼロキューブです。
極限までムダを省いた立方体のフォルムが「スタイリッシュでカッコ良い!」と若い層にも人気です。
基本的に間取りが決まっている規格型の住宅なのですが、3LDKが1,000万円(税別)という価格設定となっています。ちなみに4LDKで1,200万円、5LDKでも1,300万円となっています。
間取り例
- 建物本体価格:1,300万円
- 間取り:5LDK
- 延床面積:121.72m 2(36.82坪)
- 家族構成:4人~6人家族
予算内で家を建てるコツ
1,000万円台で家を建てるコツについて話をしていきます。コツはいくつかあるのですが、中でも最も重要なのが業者選びです。
理由は業者を徹底的に比較することで、自分たちの満足する家をできるだけ安く建ててくれるハウスメーカーや工務店が見つかるからです。
先ほど紹介した「LIFULL HOME'S」の予算別カタログ取り寄せサービスなどを活用すると、効率よく業者探しができるので便利です。
業者を比較する
【年間建築棟数TOP10】
- 一条工務店
- 積水ハウス
- セキスイハイム
- ヘーベルハウス
- タマホーム
- 大和ハウス
- 住友林業
- ミサワホーム
- パナソニックホームズ
- トヨタホーム
このTOP10のうち、1,000万円台で家づくりに対応しているのはタマホームくらいのため、比較検討する業者は、ローコスト住宅と呼ばれている住宅会社、地元の工務店などに絞られてきます。
タマホームを含めローコスト住宅を建てるハウスメーカーについては、別の記事でまとめているので参考にしてみてください。
坪単価は43万円以内に
1,000万円台の家づくりのポイントは、坪単価43万円を意識しておくと良いでしょう。
仮に35坪の家を建てると考えた場合、坪単価43万円だと、
35坪×43万円=1,505万円
さらに、付帯工事費が本体工事費の2割程度掛かったとしても、
1,505万円+300万円=1,805万円
注文住宅の場合は消費税がかかりますので、
1,805万円+消費税=1,985万円
なんとか1,000万円台でおさめることができます。
シンプルな外観を意識する
外観がシンプルになれば建築費は安く済みます。
例えば1階と2階に凹凸がない総二階建にするとか、屋根をシンプルな形になるように間取りを考えるなどです。
2階より1階の面積が広くなれば、外観も複雑になるし、屋根も2段になってしまう可能性があり、そうなると建物の建築費も割高になってしまいます。
こだわりの優先順位を決めておく
いくらローコスト住宅といえども、アレもコレもとオプションを付けていけば建物価格はどんどん高くなり、とても1,000万円台では収まらなくなります。
そこでポイントとなるのが、自分たち家族にとって絶対に譲れないこだわりを明確に決めておくことです。
- 建物の外観をカフェ風なカワイイ感じにしたい
- 高気密高断熱の家に住みたい
- 広くて使いやすいキッチンが欲しい
- 地震に強い家が良い
- 建てた後のメンテナンス費用が掛からない家が良い
このようにこだわりたいポイントを明確に決めておくことで、必然的に候補となるローコスト住宅業者や工務店が絞り込むことができます。
ローコスト住宅や工務店にも、各社それぞれ得意としている分野があります。
例えばキッチンなどの設備品にこだわりたいのであれば、住宅設備メーカーのLIXLEを親会社に持つ「アイフルホーム」があります。
床暖房のある家を希望するのであれば。地熱床システムを標準装備している「ユニバーサルホーム」などが候補としてあがってきます。
「タマホーム」でも床暖房をつけることはできますが、オプションとして別途費用がかかってしまいますので、どんどん見積りが膨らんでしまいます。
こだわりポイントにお金をかける
「高気密・高断熱住宅」や「地震に強い家」「健康住宅」など、どうしてもこだわりたい部分があれば、オプションで対応できるローコスト住宅会社を探すのがおすすめです。
最近はローコスト住宅のハウスメーカーでも様々なオプションに対応できるプランを用意しているので、大手ハウスメーカーに負けない高気密・高断熱住宅や耐震性能の家を建てることができます。
例えばアイシネンという人気の断熱材があります。
大手ハウスメーカーでも標準仕様でこの断熱材を使っている業者はほとんどありませんが、オプション料金を払えば、ローコスト住宅の「レオハウス」では対応できます。
つまり、こだわりたい部分がはっきりしているのであれば、家全体はローコストで建てておき、こだわりの部分だけはしっかりとお金をかけ、オプションで対応するというやり方が、賢いローコスト住宅の建て方になります。
規格型住宅を検討する
先ほど紹介した「ゼロキューブ」などが、規格型住宅になります。
規格型住宅とは、すでに間取りのパターンなどが決まっている建物のことで、注文住宅のように自由設計で間取りを決めることはできません。
その代わり何十種類、何百種類という間取りパターンが用意されているので、そこから自分たちの希望に近い間取りを選ぶことになります。
すでに間取りが決まっているので、工場で大量生産することができ、コストを大幅に抑えることができるようになっています。
2,000万円台の間取り例
大手ハウスメーカーも一部を除けば、坪単価70万円前後なので、あまり大きな家でなければ、予算2,000万円台でも十分に注文住宅を建てることができます。
目安となる坪単価は以下のようになっています。
- 一条工務店:67~73万円
- 大和ハウス:65~73万円
また、1,000万円台でも紹介したタマホームの間取り例も載せておきますので、予算によってどれくらい建物の大きさに違いがあるのか参考にして頂ければと思います。
一条工務店
一条工務店は、木造住宅部門では住友林業についで建築棟数2位の大手ハウスメーカーです。
豪華な標準仕様が人気で、とくに高気密・高断熱、シロアリ対策などが高く評価されています。
間取り例
- 建物本体価格:2,000万円~2,500万円
- 間取り:3LDK
- 延床面積:114.39㎡(34.61坪)
- 家族構成:3人~4人家族
大和ハウス
大和ハウスは日本を代表する大手ハウスメーカーです。
最近は「天井が高い家」というキャッチフレーズで、さらなる顧客獲得を進めています。軽量鉄骨と木造住宅、どちらの構造にも対応できる販売力が魅力です。
- 建物本体価格:2,000万円~2,500万円
- 間取り:4LDK
- 延床面積:99.57㎡(30.11坪)
- 家族構成:4人~6人家族
タマホーム
1,000万円台のブロックで紹介したタマホームの家は、3LDKで延床面積36.7坪でした。
どこのハウスメーカーや工務店でも同じですが、建てる家の床面積が大きくなれば坪単価は下がります。
今回紹介している建物は、約61坪という大きな家なのですが、坪単価が下がっていることで、本体価格を2,000万円台に収めることができています。
間取り例
- 建物本体価格:2,500万円~2,999万円
- 間取り:6LDK+セカンドリビング
- 延床面積:203.70㎡ (61.6坪)
- 家族構成:夫婦+子ども2人+祖母
予算内で家を建てるコツ
2,000万円台で家を建てるコツについて話をしていきます。1,000万円台の時と同様になりますが、最も重要なのは業者選びです。
1,000万円台とは異なりハウスメーカーや工務店選べるようになるため、しっかり比較しておかないと後悔します。
ポータルサイトの「LIFULL HOME'S」では、建設予定地別にハウスメーカーや工務店のカタログを取り寄せることができます。
こちらを活用するとエリア別の人気業者が分かるので、自分たちにあいそうなハウスメーカ-や工務店を見つけやすいかと思います。
業者を比較する際の準備
2,000万円台の予算でマイホームを建てるときの業者選びのコツですが、最初に希望する部屋数を決めておくことをおすすめします。
希望の部屋数が決まっていれば、建物全体のおおよその広さ(延床面積や坪数)がわかります。
建物の大きさが決まれば、各ハウスメーカーや工務店の坪単価を参考に、マイホームの予算がみえてきます。
自分たちが希望する部屋数だと、建物の大きさは約33坪~35坪くらいだったら、坪単価70万円くらいのハウスメーカーや工務店なら検討できることになり、それよりも高いハウスメーカーや工務店は候補から外すことができます。
建物価格は2,500万円以内に
建物本体の建築費を2,500万円以内におさえるのがポイントです。
建物本体とは別に付帯工事費や各種手数料などの諸費用が必要で、一般的な予算組だと本体価格の2割ほど見ておくのが無難です。
そうなると2,000万円台でマイホームを建てるためには、本体工事費を2,500万円以内におさえておく必要があります。
和室より洋室を多くする
同じ8畳の部屋でも、洋室より和室のほうが建築費は高くなります。
和室1部屋だけであれば標準仕様になっているハウスメーカーも珍しくありませんが、和室を複数部屋つくる場合はオプションとなり、追加費用が発生してしまうケースもあるので注意しましょう。
ただし、本格的な和室ではなく、リビングに隣接するようなタイプの和室であれば、そこまで建築費が高くなることはありません。
本当に必要な設備なのか検討する
床暖房や免震装置など、本当に必要な設備なのかもう1度よく検討してみましょう。
床暖房はあこがれる設備の1つでもありますが、最近の住宅は高気密高断熱になっているので、昔ほど床暖房が必要ではなくなっています。
免震装置にしても同じで、今の住宅は多くが標準で耐震等級2や3になっています。
ここまで予算1,000~2,000万円の家の間取りを紹介してきましたが、もし自分で間取りを作成したい人は、「間取りがシミュレーションできる人気アプリ」の記事をチェックしてみてください。
スマホやPCで誰でも簡単に間取り図を作成できるアプリ(ソフト)を紹介しています。
間取りを書くのは難しいと思っている人も多いようですが、そんなことはありません。それに間取りをプロみたいに上手に書く必要もありません。
意図が相手(営業マンや設計士)に伝われば問題ないので、理想図としてアプリやソフトを使って自分の思い描く理想の家を作成してみてください。
1,000~2,000万円台の家を建てた人の体験談
栃木県/30代/レオハウス
子供が生まれるのを機にマイホームを建てようと一念発起しました。しかし現実は甘くなく、自分の収入ではどこのハウスメーカーも本気で取り合ってくれませんでした。
それもそのはず、銀行からは1,700万円(自己資金350万円)の融資が限度だという回答を頂いていて、土地から購入の自分たちとしてはマイホームは手の届かない夢の商品だったんです。
だけど友人からレオハウスを薦められ、最後の望みというと大げさだけど、それくらいの気持ちで相談にいきました。
レオハウスの営業Fさんは、そんな自分たちの気持ちを汲んでくれたのか、「その予算でもマイホームは建てられます」と断言してくれたんです。
それが自分たちにとってはすごく心強く、すごく勇気をもらいました。
奈良県/40代/大和ハウス
今年の春、大和ハウスの分譲地で注文住宅の話を進めていました。その地域は滅多に売り地がでないエリアだったので、すぐに飛びつきました。
場所も気にいり、こちらは前向きに検討したかったのですが、大和ハウスの営業さんからこう言われました。
「○○さんの予算(土地込み2,800万円)では、希望される家を建てるのは難しいと思います」
「2階の子ども部屋を2つから1つに減らせば何とかなるかもですが」
大和ハウスでなく、タマホームとかアイフルホームの家だったら予算内で足りるのに、やっぱり大手だと難しいんだと断念しました。
もう少し予算に余裕があればよかったのですが。
千葉県/30代/ユニバーサルホーム
マイホームを建てるなら絶対に床暖房と太陽光発電のオール電化が絶対条件でした。それと木の家が良かったから木造住宅しか選択肢になかった。
住友林業、一条工務店、ヤマダエスバイエル(現在はヤマダホームズに社名変更)で相談したけど、どこも予算2,000万円以内では無理との回答だった。
ローコストのタマホームとユニバーサルホームに相談することに。ユニバーサルに決めたのは標準で地熱床システムがついていたから。
それでもタマホームの床暖房なしと、ほぼ同額だったから得した気分になれたので結果オーライですけど。
1,000~2,000万円で家を建てた人の体験談を紹介してきましたが、ポイントとなるのがハウスメーカー選びです。
少ない予算でも、自分の希望に合うハウスメーカーを選べれば、満足度の高いマイホームを建てることができます。
そのためには、やはり複数の業者を比較してから慎重に選ぶ必要があるので、まずはいくつかカタログを取り寄せて候補を選び、詳しい話を聞いてから決断しましょう。
まとめ
予算1,000万円台で、間取りを好きに決めることができる注文住宅にこだわるのであれば、ローコスト住宅に限定されてしまいますが、広さは40坪程度までなら十分に検討できる範囲内だと思います。
2,000万円台の予算になれば、大手のハウスメーカーでも十分検討できる範囲となります。ただしあまり大きな家ではなく、35坪~40坪くらいの広さを想定しておきましょう。
この価格帯で満足できる家を建てるためには、ハウスメーカーや工務店の見積もり・プランを徹底的に比較することが必要です。
比較することで業者側でも競争意識が高まり、値下げ交渉などがしやすくなるので、時間に余裕がある限りなるべくたくさんの業者から話を聞きましょう。
先ほども紹介しましたが、LIFULL HOME'Sなどのポータルサイト経由でカタログを取り寄せれば、悪質な営業などのトラブルに巻き込まれることはありませんし、自分の予算にあった業者から選べるので安心です。
家づくりで失敗しないためには、最初の情報収集がとても大切なので、時間をかけてじっくり比較しましょう。