注文住宅の諸費用と相場価格

注文住宅の諸費用と相場価格

戸建ての注文住宅を建てるとき、一番費用がかさむのが建物の本体工事費です。しかしそれでも本体工事費は、総工事費の70%~75%ほどにすぎません。残りの25%~30%が、今回お話しする付帯工事費や諸費用に充当されます。

総工事費3,000万円の注文住宅だとしたら、本体工事費は約2,100万円、それ以外の部分に最大900万円という費用が発生していることになります。これは相当大きな負担割合です。そこで今回は、本体工事費以外に発生する費用について、細かく解説していきます。

頭金と手付金について

まず工事費用の話をする前に、「頭金」と「手付金」についてご説明します。大きく分類すると、この2つも諸費用なのですが、他のものとは意味合いが違いますので、簡単に説明しておきます。

頭金とは

頭金というのは、自己資金のうち本体工事に充当できる現金分と思ってください。

自己資金にも2通りの考え方があります。1つは、基本的に現金で支払う建物以外に掛かるお金です。登記費用や火災保険、引っ越し費用などです。これらを含めて「諸費用」という言い方をするのが一般的です。

そしてもう1つが、自己資金から必要経費(諸費用など)を差し引いたお金です。

例えば、自己資金が800万円あったとします。そのうち300万円は、諸費用として手元に残しておき、残りの500万円を頭金として充当します。

つまり、「頭金=総費用-住宅ローン借入額」ということになります。頭金を多く払えば、それだけ借り入れする住宅ローンの額を抑えることができます。

手付金とは

手付金とは、請負契約時に住宅会社に支払う契約金です。土地を購入する場合は、土地の売買契約時にも同じように手付金を支払うことになります。

手付金の額は、ハウスメーカーによって異なるので、決まった金額はありませんが、一般的には請負価格の10%だったり、100万円だったりします。

もし契約が成立した後に、施主(買主)都合でキャンセルする場合には、この支払った手付金は放棄しなければなりません。反対に、業者都合によるキャンセルの場合は、支払った手付金の2倍を違約金として受け取ることができます。

そしてこの手付金は、最終的に請負代金に充当されます。

自己資金0円でも家が建つというのは?

最近、新聞折り込みチラシなどでも「自己資金0円」「頭金0円」で家を建てることができる、と謳っている広告をよく目にします。それらの多くが、全額住宅ローンで借り入れできるという意味であり、本当に自己資金0円では家を建てることができないのが大半です。

実際には住宅ローンを借りる前に、先に説明したように手付金などを支払うケースがほとんどだからです。

業者のいい分として、「とりあえず手付金は50万円でかまわないので、その分は一時的に消費者金融や両親から借りてください。住宅ローンがおりたら全額返済すれば、自己資金0円と同じですから」と言ってきます。

しかし、ここで消費者金融などから借り入れしてしまうと、住宅ローンそのものの審査に不利になる可能性があるので、絶対に消費者金融は利用してはいけません。

総費用の2割を占める付帯工事費とは

付帯工事とはその名の通り、建物を作るのに付帯している工事のことを指します。代表的なものでいえば、駐車場や地盤改良工事などです。

平均すると、総工事費の20%ほどを占めることもあり、安いからといって立地が悪い土地を購入してしまうと、さらに付帯工事費がかさむ結果になります。

それでは付帯工事には、どのような項目があるのか具体的に解説します。

付帯工事費の内訳

工事内訳 内容
地盤調査費 地盤の強度を調査する費用
基礎・地盤補強工事費 地盤が軟弱な場合に、地盤や基礎を強化する工事
解体工事費 古家などを取り壊す工事
造成工事費 盛り土、切り土など、土地をフラットにして建物が建てられる状態にする工事
敷地内引き込み工事費 電気、ガス、水道などを自分の敷地へ引きこむ工事
外溝工事 駐車場や、門扉から玄関までのアプローチ部分の工事など
エクステリア工事費 外溝やフェンスなどを作るための工事
インテリア工事費 エアコン、カーテン、照明などのインテリア費用

地盤調査はサービス(無料)、ベタ基礎と布基礎は標準仕様、造成する必要のない土地を選ぶ、駐車場はカーポート不要など、費用を削ろうと思えば大幅に削ることができるのも付帯工事の特徴です。

とくに土地から購入する場合は、建築を依頼する会社にアドバイスを受け、一緒に土地見学に同行してもらうなど、少しでも費用を抑えることができる土地を上手に探すようにしましょう。

現金支払いが多い諸費用とは

諸費用とは、基本的に現金での支払いが多い項目のことをいいます。これらの諸費用は住宅ローンで借り入れできないことが多いので、諸費用分くらいの自己資金は必要になると理解しておきましょう。

一般的な諸費用は、本体工事費と付帯工事費を合計した金額の5%~7%程度だと言われています。このことから、余裕をもって10%くらいの自己資金を手元に残しておくのが望ましいと言えます。

それでは諸費用には、どのような項目があるのか具体的に解説していきます。

諸費用の内訳

項目 内容
登記費用 登記簿登録し、所有権を得るための費用
住宅ローン関連費用 保証料、団体生命保険料、火災保険、抵当権設定費用、事務手数料など
税金関連費用 印紙税、不動産所得税、消費税など
つなぎ融資費用 住宅ローンとは別に、中間金や土地代金などを融資してもらう場合の手数料
地鎮祭・上棟式費用 工事開始時や棟上げ時などに行う儀式。神主さんに支払う玉ぐし料など
引っ越し費用 新居へ引っ越しするための費用
仮住まい費用 建替えの場合は、完成まで賃貸を借りることもある
家具・家電購入費用 新居用に新たに買い揃える家具や家電の費用
各種申請費用 長期優良住宅申請費用など

比較的大きな出費となるのが、住宅ローン関連費用です。住宅ローンの保証料は、融資額3,000万だと50万円~100万円を超える銀行も珍しくありません。

しかし銀行によっては、金利に上乗せしてくれる場合や、ネット銀行では保証料0円という住宅ローンも珍しくありません。自己資金に不安があるのなら、このような保証料0円の住宅ローンも検討する余地は十分にあります。

総費用を計算してみよう

「総費用=本体工事費+付帯工事費+諸費用」について、一般的なケースを例に、具体的な相場価格をみていきましょう。

ここでは、「土地あり(古家あり)、建物35坪、坪単価50万円」のケースを想定した目安を書いていきます。

本体工事費

内訳 目安金額
本体工事費 1,750万円
設計料 25万円
消費税(8%) 142万円
本体工事費計 1,917万円

付帯工事費

内訳 目安金額
解体費用 125万円
基礎・地盤補強費用 118万円
引き込み工事費用 75万円
外溝工事費用 220万円
インテリア費用 72万円
消費税(8%) 48万8,000円
付帯工事費計 658万8,000円

諸費用

内訳 目安金額
登記費用 25万円
住宅ローン関連費用 100万円
火災・地震保険 25万円
仮住まい費用 60万円
引っ越し費用2回分 50万円
諸費用計 260万円
総予算の合計 2,835万8,000円

あくまでも概算の目安金額ですが、実際の建物代金は2,000万円弱なのに、総費用は2,800万円を超えています。これに土地まで購入するとなれば、さらに土地代金がプラスされます。

この価格クラスの注文住宅を建てるのであれば、最低でも自己資金として300万円は必要だということです。

とくに地盤改良費用などは、契約後でなければ調査に入らないハウスメーカーも多いので、工事が始まるまで、正確な見積り額が提示されないのも注文住宅の特徴だと思っておいてください。

マイホームを建てるにあたって必要な資金は予想よりも大幅に上回るケースが多々あります。長期的な支払い計画が必要になってきますが、手元の自己資金も重要です。家は長く住む場所です。お金をかける部分と節約できる部分を見極めて、後悔のない住宅購入ができるようにするのが望ましいと言えます。

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