木材の種類を徹底比較!新築を建てる際のおすすめは?

木材の種類を徹底比較!新築を建てる際のおすすめはどれか?

注文住宅を徹底的にこだわる人の中には、木材の種類が多くてどれを選んだらいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

今回は木材を種類別に紹介し、家のどの部分で使用したらいいのか分かりやすくまとめます。

全ての種類を紹介すると細かくなりすぎるので、最低限記事内で紹介している木材をチェックしてもらえばと思います。

3つに分けられる住宅用木材

木材の種類について話をする前に、より木材の種類を理解しやすいように、住宅用木材の基本的な知識について簡単に説明していきたいと思います。

家づくりに使用される木材には大きく「構造材」「造作材」「床材」という3つのカテゴリに分けることができます。もっと細かくいえば「建具材」や「下地材」などもあるのですが、家づくりにおいては上記3つを理解しておけば最低限大丈夫です。

構造材

構造材とは、「柱」「梁や桁」「土台」など、家の骨組みにあたる部分に使用される木材のことをいいます。家づくりにおいて最も重要な部分となります。

母屋 屋根を支えるための水平材
垂木 屋根のチカラを受け止めるための木材
梁・桁 床や壁を支える水平材
根太 床材を支えるための水平材
筋交い 家の強度を増すための木材
建物を支えるために最も重要な木材
土台 基礎と骨組みをつなぐ役割をする木材

造作材

造作材は建物内部に使用される木材のことで、一般的にはドア、クローゼットの扉、腰板、巾木、窓枠などに使用されています。

造作材

出典:https://www.daiken.jp/product/detail/zousa/20100336.html

床材

まさに名前の通り、フローリングなどの床に使用される木材のことをいいます。直接人と接する部分なので、床材にこだわる人は多くいます。

木材の種類と特徴

実際に使用されている木材の種類や特徴について、分かりやすく説明していきます。ただし最近は海外から多種多様な種の木材が輸入されており、ここでは主要な木材のみを解説します。

木材には水に強い、耐久性が高い、シロアリに強いなど、さまざまな特徴があるので、それに合わせて使用する箇所が違ってきます。特徴を知っておけば、家づくりにおいてもきっと役に立つと思います。

桧 -ヒノキ-

ヒノキ

出典:http://www.bld-ownhouse.com/wood/cypress.html

総ヒノキづくりの家と聞けば、なんだか高級そうなイメージを浮かべると思います。ヒノキはスギに並ぶ日本を代表する建築木材であり、構造材としてだけでなく、内装材としても広く活用されている万能木材です。

かなり高価な部類に入る木材なので、使用する箇所を限定しているハウスメーカーや工務店も少なくありません。

ヒノキの特徴としては伐採後から強度が増すと言われており、その耐久性の高さから神社仏閣などの建築木材として重宝されています。

また水に強く、シロアリや腐朽菌への耐久性も高いことから「土台」や「柱」部分に使用することで高い効果を発揮することができます。リラックス効果を高める香りがあるため、お風呂場などにも使用されています。

杉 -スギ-

スギ

出典:http://www.bld-ownhouse.com/wood/cedar.html

戦後、政府主導でスギの植林運動が広がり、国内を代表する木材へと成長しました。そのため、ヒノキに比べると安価な価格で仕入れることができるため、今でも建築木材として高い需要があります。

スギはヒノキに比べ柔らかく、あらゆる部材に加工することができるので、構造材だけでなく、造作材や建具など、幅広く使用されている木材です。

ただ柔らかく傷がつきやすいので、神経質な方はフローリングへの使用は控えた方が良いかもしれません。

それと最近は防蟻処理能力が高くなり、安価なスギを土台に使用するハウスメーカーや工務店も増えてきましたが、ヒノキやマツに比べて非常に柔らかい木材なので、シロアリ被害を考えると土台にスギはあまりおすすめしません。

松 -パイン-

赤松

出典:https://ecoloquia.com/product/rdporno1

松も日本では広く知られている樹木です。ですが、建築に使用される松には多くの種類があり、そのほとんどが海外から輸入されたものばかりです。

ハウスメーカーなどでよく耳にする「パイン材」というのが、俗にいうマツ材だと思ってください。

ただパイン材にも「レッドパイン」「ホワイトパイン」「イエローパイン」など、多くの種類があり、原産国も違えば、木材がもつ特徴もまったく異なるので注意しておきましょう。

一般的な話しになってしまいますが、建築木材として多く使用されるのが赤松(レッドパイン)です。

この赤松はちょっと赤っぽい色合いが特徴で、綺麗に木目や節目がでることから化粧梁やフローリング材に使われることが多いです。

どちらかと言うと柔らかい部類に入るので、強度を必要とする部分にはあまり向かない木材だと思います。

ヒバ

ヒバ

出典:http://kimurasangyou.main.jp/hiba/contents-01/

ヒノキやスギほどの知名度はありませんが、ヒバも立派な国産の樹木です。別名アスナロやアテという呼び方をしている地域もあります。

とくに青森ヒバが有名で、特徴としては湿気に強いことと、樹脂に殺菌効果がある精油成分を多く含んでいることです。

この殺菌効果がある樹脂により、シロアリに強い木材として重宝されています。ですので、使用される箇所は主にシロアリ被害が想定される土台部分です。

そして同じくシロアリ被害の心配がある通し柱にも使用されることがあります。

ナラ(オーク)

ナラ(オーク)

※左から「ナラ」「ホワイトオーク」「レッドオーク」

出典:http://www.fujioka-wood.co.jp/column/2896/

国内ではナラ(楢)、海外ではオークと呼ばれている木材です。かなり安価で仕入れることができる材木なので、日本の住宅にも広く使われています。

特徴としては、傷がつきにくく耐水性があること。木目もしっかり出るので、フローリングなどに使用されることが多いです。

またレッドオークやホワイトオークなど、色合いも豊富で木目の柄も異なることから、フローリングなど目に見える部分に適した木材だと思います。

お酒やウィスキーの樽にも使用されており、それだけ強度が高い木材だという証拠です。

それとオークのことを「樫の木」だというハウスメーカーもありますが、決して間違いだとはいえません。そもそもナラもカシも同じような性質を持つ樹木であり、落葉樹と常葉樹としての違い程度です。

正確にはナラ=オークというのが現代では正しいとされていますが、樫の木と思っている人も多いようです。

欅 -ケヤキ-

ケヤキ

出典:http://www.bld-ownhouse.com/wood/zelkova.html

ケヤキは、とにかく堅くて強いというイメージを持つ人も多いでしょう。

実際にヒノキやスギなどの木材に比べ、堅くて丈夫なので大黒柱や床柱など、家の主要部分の木材として使われることが多くあります。

それだけ強くて丈夫なら、柱とかにも使えば良いのに?と思われるかもしれませんが、ケヤキは高級木材に類しており、価格的にも見合いませんし、加工技術も必要になります。

綺麗な木目をだすことからも、やはり大黒柱や床柱など、人の目がつきやすい箇所に部分的に使用するのが一般的です。

栗 -クリ-

クリ

出典:https://mokuall.net/jyusyu/kuri/

最近はあまり使われることも少なくなったクリの木材ですが、古くから日本住宅に多用されていた木材の1つです。

クリの特徴は硬くて丈夫なこと。また水にも強いことから台所まわりなどに多く使われてきました。

高い耐久性と耐水性があることから、虫害にも強い木材なので、ヒバと同じように土台部分に使用されます。

ただ非常に硬い木材のため、乾燥に弱く割れやすい特性があり、そのため住宅用建材として乾燥させるためには高い技術が必要とされています。

無垢材と集成材

家づくり初心者がまず疑問に思う木材の疑問として、「無垢材」と「集成材」の違いがあると思います。ハウスメーカーや工務店の展示場を見学に行くと、営業マンが当然のようにこういいます。

  • ウチの家は無垢材なので木が生きています
  • ウチは集成材を使っているので、無垢材に比べ1.5倍の強度がある家です

たしかにどちらの言い分も間違っていませんし、正しいのですが、そもそも無垢材や集成材って何?と疑問を持つ人も多いと思います。

無垢材とは

伐採した1本の樹木から切り出した木材のことをいいます。わかりやすい言い方をするなら「天然の木材」と言ったところでしょうか。そのため無垢材は生きており、呼吸もすれば湿度を自然に調整する能力があると言われます。

ただ天然の木材なので、後々割れてしまったり反ったりすることが多く、それが家の不具合を起こす原因となることもあります。それに1本の樹木から切り出すので、希少価値も高く、集成材に比べると割高です。

メリット
  • 自然と最適な湿度に調整する能力がある
  • 結露を起こしづらく、カビやダニの発生リスクが低くなる
デメリット
  • 収縮するので隙間が出たり、反ったりすることがある
  • 希少価値が高い材木ほど、集成材に比べると割高

集成材とは

集成材は複数の木材に接着材をつけプレスして、1つに組み合わせた加工木材だと思ってください。柱や梁などに使用されることもありますし、室内の造作材としても多く使われています。

10年ほど前までは、木材を組み合わせる際に使用する接着剤に有害な物質が含まれており、それがシックハウスなどの要因になると言われイメージをさげてしまいましたが、今の接着剤には有害物質は一切含まれておらず、以前のように人体へ悪影響を及ぼす心配はなくなりました。

それでも以前のイメージが強く、いまだに集成材を毛嫌いする人は多くいます。

メリット
  • 後々反ったり、割れたりすることが少ない
  • 無垢材に比べ、1.5倍の強度がある
デメリット
  • 集成材の歴史が浅く、実際の耐用年数などが未知
  • 輸入や加工が必要なため、割高になる集成材もある

まとめ

大まかに木材の種類や特徴については理解して頂けたかと思いますが、結局のところ新築住宅を建てるにはどんな木材を使うのが良いのか?について明確に理解できた人は少ないかもしれません。

そこで最後に昔から伝え続けられている建築用語を1つ書いておきます。

「土台ヒバ、柱ヒノキに梁はマツ」

このように昔から、木造住宅を建てるのであれば、腐食や湿気、シロアリの不安が一番高い土台部分にはヒバ、柱には腐朽やシロアリに強く耐久性があるヒノキ、そして梁には横方向の張力が強く、耐久性のある松がおすすめとされています。