スマートハウスの価格(坪単価)ともらえる補助金まとめ

スマートハウスの価格(坪単価)ともらえる補助金まとめ

「お風呂のお湯を貯める」
「エアコンのスイッチを入れておく」
「見たいドラマの録画予約を入れる」

外出先からこんなことが出来る家なんて、もっと未来の話しだと思っていましたが、今の日本の住宅は、あたり前にできるようになりました。それが次世代型住宅といわれる「スマートハウス」です。

外出先から家電などを操作できるだけではありません。最近のスマートハウスは、「HEMS」と呼ばれるメイン機器によって、より快適に過ごせて、なおかつ光熱費などを節約できる家となっています。

今回はこのスマートハウスに関して、どのような住宅で何が出来るのか、坪単価や導入費用はどのくらいなのかについて詳しく解説していきます。

スマートハウスの坪単価はどれくらい?

スマートハウスは便利ですが、坪単価はどれくらいになるのでしょうか。

知り合いの住宅会社などにも聞いて、色々調べたところ、スマートハウスの坪単価は平均で60万円~70万円くらいであることがわかりました。

正直、「思っていたよりもかなり安い」と感じました。便利な住宅なのですから、坪単価で安くても80万、もしかすると100万円くらいになるのではと思っていました。

知り合いの営業マンが多くいる、積水ハウスや一条工務店に聞いてみたのですが、やはりスマートハウスの坪単価は65万~70万強くらいだと言っていました。

ちなみに某ハウスメーカーの営業マンの話しでは、スマートハウスでも、普通のオール電化住宅でも、坪単価にしたらほとんど大差ないそうです。せいぜい坪単価20,000円~30,000円ほど高くなる程度だと言っています。

それらを目安に考えると、タマホームやアイフルホームなどのローコスト住宅であれば、スマートハウスでも坪単価50万円台で建てることができると思います。

今すでに住んでる住宅を、スマートハウスにリフォームすることもできますが、その場合だと「太陽光発電システム+蓄電池システム+HEMS設置+スマート家電の購入」などが必要になるため、総額で350万円~450万円くらいの予算が必要となるでしょう。

スマートハウスには補助金がある

いまスマートハウスを建てると、自治体から補助金がもらえる地域が多数あります。

他にも「すまい給付金」も貰えますし、スマートハウスの補助金までもらうことができるのであれば、これは普通のオール電化住宅を建てるよりも、もしかすると得かもしれません。

各自体地によって補助金の額などは違いますので、家を建てる地域の自治体に確認してみてください。例として、広島県のある市町村の補助金を紹介しておきます。

補助対象設備の種類 補助額
住宅用エネルギー管理システム(HEMS) 上限額 5万円
住宅用太陽光発電システム 上限額 2万5千円
定置用リチウムイオン蓄電システム(蓄電池) 上限額 10万円
家庭用燃料電池システム(エネファーム) 上限額 10万円
電気自動車充給電設備(V2H) 上限額 10万円

各自治体も、年度の補助金額を越えた時点で締め切るため、補助が受けられるタイミングで注文住宅づくりを計画するのも1つの作戦だと思います。

また、スマートハウスに対する国の補助金事業は、2017年9月時点ではすべて終了していますが、スマートハウスと併用されている「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(通称:ZEH)」の補助金は、一定の条件をクリアすることで補助金を受けることができます。

このZEHの補助金で気をつけなければならないのが、先着順ではないことです。より性能が高いZEH住宅から順に補助金がもらえる仕組みになっており、それを見極めるために加点方式が採用されています。

【ZEH(ゼッチ)とは】
ZEH(Zero Energy House)とは消費する一次エネルギーより、自宅で創るエネルギーの方が多い住宅のことをいいます。
いま政府が一番チカラを入れている分野の住宅がこのZEHであり、2020年基準住宅の核となることが予想されています。

ZEHとは

出典:http://minsuma.jp/interview/zeh/about/

なお、ZEH住宅については「ZEHの補助金はいくらもらえる?」の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

スマートハウスとは

自分のマイホームで電気を作り、作った電気は住宅内に蓄え、必要最小限の電気で生活する。これこそ究極のエコ住宅です。まさに近未来型住宅の理想像だったのですが、これを現実にしてくれたのが「スマートハウス」です。

IT技術の進歩はめざましく、このスマートハウスでは、IT技術によって住宅のエネルギーが管理できる仕組みになっています。

そのスマートハウスに欠かせないのが、「HEMS」と呼ばれるIT機器です。これがスマートハウスの頭脳となります。

「HEMS=Home Energy Management System」
(ホームエネルギー・マネージメントシステム)

「HEMS」住宅

出典:http://smart-life-japan.jp/technology/index

わかりやすくスマートハウスを説明するなら、太陽光発電システムで作った電力を、家庭に設置した蓄電池に貯め、そこから家庭内の電力をまかなうシステムです。そしてそれら全ての指示を出しているのが、さきほど説明したHEMSという電子機器です。

つまり、電気を作る、貯める、使う。これをすべて家庭内でまかなうことができる、まさに理想の省エネ住宅です。

スマートハウスの頭脳「HEMS」とは

HEMSのメリットは、これまで目で確認することができなかった家庭内の電力消費量を、スマホやタブレットで簡単に確認できることです。

どの家電品がどれくらい消費電力を使っているのか、何時の時間帯に多くの電力を使っているのか、お得な深夜電力を十分に活用できているかなど、それらすべての管理や制御をHEMSがやってくれます。

「HEMS」でできること

出典:http://www.ntt-ft.jp/service/iot/

今では大手家電メーカーでも、このHEMSに関心を高めており、パナソニックなどはいち早く専用アプリの開発を進めています。

スマートHEMSサービスアプリ

出典:http://news.panasonic.com/jp/press/data/2015/10/jn151008-1/jn151008-1.html

このように家庭内エネルギーの消費量を見える化したことで、さらに節電への意識が高まることが期待できます。またHEMSアプリを利用すれば、他の世帯との比較やランキングを見ることもできます。

スマートHEMSサービスアプリで他世帯と比較

出典:http://news.panasonic.com/jp/press/data/2015/10/jn151008-1/jn151008-1.html

これなら日頃あまり節電とかに興味を示さない子供でも、ゲーム感覚で節電に取り組んでくれることでしょう。

このようにスマートハウス事情は、日々進化しています。近い将来このスマートハウスがどこまで便利になり、いったいどんなことが出来るのか、考えただけでもワクワクします。

簡単にですが、スマートハウスの仕組みについて説明をしてきました。ここからは、スマートハウスを実際に建てるポイントなどについて、解説をしていきます。

スマートハウスを建てるメリット

スマートハウスを建てるメリットは大きく3つあります。

  • 光熱費の節約になる
  • 生活が快適になる
  • 災害時でも安心

光熱費の節約になる

HEMSが効率よく省エネをサポートしてくれますし、家庭内の電力消費量がスマホやタブレットで見れるので、自然と省エネに対する意識が高まります。

また、太陽光発電システムで作り出したエネルギーを売電することもできますし、これまでは出来なかった電気の蓄えも可能になりました。

これで節約できなければ、家族の節電に対する意識が欠落していると言われても仕方ありません。調査データによると、スマートハウスにして電力を見える化したことで、約30%の家庭が「家族が節電に協力的になった」と回答しています。

生活が快適になる

スマートハウスで出来ることは多く、ここで挙げているのはほんの一例です。音声認識ソフトで家の中にある家電をリモコンなしに操作できるようになりますし、外出先から室内の温度や湿度を知ることやエアコンの操作もできるので、ペットを飼ってる家庭などは、愛犬や愛猫が暑い思いをしているのではないかと心配する必要もなくなります。

またGPS機能を利用すれば、家に近づくと勝手にお風呂を沸かしてくれたり、エアコンのスイッチが入るように設定することもできます。

外出してから、「家のカギちゃんと閉めたかな…」と思うことがあっても、スマートハウスならスマホ1つで施錠を確認できますし、もしカギを閉め忘れていれば遠隔操作で施錠することもできます。

そのほか「家族の帰宅や外出をメールで通知」してくれる機能もあるので、お子さん帰宅を待って外出しなくても安心です。

災害時でも安心

災害が起こり停電になっても、スマートハウスなら蓄電システムがあるので、それらの電気を使い安定した生活が送れます。たとえ蓄電分の電力がなくなっても、また次の日になれば太陽光発電システムで、新たな電力を作ることができます。

災害時に電気が使えるということが、どれほどありがたいことなのか、実際に大きな災害を体験したことがある人なら、身に染みてわかると思います。東日本大震災を機にこのスマートハウスの需要が急激に増加したのも納得です。

大手ハウスメーカーのスマートハウス

ローコスト住宅や地元工務店で建てる住宅でも、スマートハウスを取り入れている建築会社は次第に増えてはいますが、遅れを取っている感が否めません。やはり大手ハウスメーカーが主導となってるのが現状です。

今でこそ太陽光発電システムも一般的に普及していますが、最初は大手ハウスメーカーが主導しており、工務店などが本格的に参入してきたのもずいぶんと後になってのことでした。資金力や行動力では、やはり大手には叶いません。

そこで、簡単にですが大手ハウスメーカーが取り扱うスマートハウスについて解説します。

ダイワハウスの「スマ・エコ」

ダイワハウスのスマートハウスは「スマ・エコ」という名称のとおり、スマートハウスでエコな暮らしを実現するための住宅です。

D-HEMS3という独自のシステムに太陽光発電システムを組み合わせることで、ZEH住宅を可能にしてます。専用のタブレット型端末を使うことで、家全体のエネルギー状況を自動制御し、タッチひとつで空調や玄関ドアなどを集中コントロールすることができます。

ダイワハウスの坪単価や価格をチェックする

積水ハウスの「グリーンファースト」

積水ハウスでは「グリーンファースト」というスマートハウス住宅があります。掲げるのは「快適で、経済的で、エコロジーな暮らし」です。

同じくグリーンファーストでも、ZEHにチカラをいれているグリーンファーストゼロ住宅や、さらに進化したグリーンファーストハイブリッド住宅などがあります。

また、リフォームや賃貸住宅にもグリーンファーストを積極的に取り入れるなど、スマートハウスにはかなりチカラを入れているハウスメーカーであることがわかります。

積水ハウスの坪単価や価格をチェックする

セキスイハイムの「スマートハイム」

積極的にテレビCMを流すなど、スマートハイムという名称は確実に認知されています。昼間は太陽光発電で創ったエネルギーで生活し、夜は蓄電したエネルギーで過ごすことができる家こそ、スマートハイムが目指す住宅です。

スマートハイムが目指すものは他にもあります。「光熱費ゼロ」、「電力不安ゼロ」、「エネルギー収支ゼロ」という、3つのゼロ住宅を掲げています。特にチカラを入れている「スマートパワーステーション住宅」なら、年間光熱費だけでも節約230,000円が実現できるそうです。

セキスイハイムの坪単価や価格をチェックする

スマートハウスで出来ること

スマートハウスは2011年頃より各ハウスメーカーも本格的に参入してきましたが、それでもまだ10年弱であり、発展途上の分野であることは否めません。今後スマートハウスは、日々めざましいスピードで進化していくことでしょう。

そんなスマートハウスの機能ですが、今回紹介することができなかったものも数多くあります。その一部を簡単に紹介しておきます。

防犯や介護でも注目されている

スマートハウスは防犯や介護の面でも注目されています。親世帯の家に専用の機器を取り付けることで、モニターを通して家の中の様子を見ることができたり、外出や帰宅をリアルタイムで知ることもできます。

また地域の医療ネットワークと連携することで家族の健康にも配慮した住宅づくりができます。小さい子供が一人でお留守番するのも不安ですよね。そんなときは自宅の様子を伺い知ることができますし、GPS内臓で子供がどこにいるのか把握することもできます。

これらの機能を別々に利用すれば、かなり高額な費用負担となりますが、スマートハウスであれば安価な出費で、これらのサービスが利用できるようになります。

スマート自動車との連携

スマートハウスで作ったエネルギーで、電気自動車の充電が可能になります。もちろん燃料費はタダですむことになりますし、逆に非常時には自動車の電力を住宅電力として利用することもできるのがスマートハウスです。

ダイエットで電力が創れる

スマートハウスならダイエットに使用するエアロバイクなどを利用し、自家発電することもできるそうです。テレビやエアコンの消費電力くらいは発電できます。

特殊な機器が必要になりますが、家の中でダイエットしながら電気を作ることができれば、まさにダイエットと省エネの一石二鳥ですね。

まとめ

今回はスマートハウスについて解説しましたが、正直、5年後や10年後にスマートハウスがどのように進化しているのか想像ができません。よって、いつがスマートハウスの建て時なのかはわかりません。

現在ある機能だけでも大きなメリットがありますが、2年後や3年後に爆発的な進化をとげる可能性が無いとは言いきれません。

想像すればきりがないのですが、私個人としては記事内で紹介したくらいの建築コストであれば、やはりスマートハウスを推奨したくなります。それだけの経済的な効果は十分に期待できる住宅だと思います。