新築の見積もり書の比較方法と値引き交渉のコツまとめ

新築の見積もり書の比較方法と値引き交渉のコツまとめ

ハウスメーカーの見積書を比較する際のポイントを分かりやすく解説します。ポイントは同じ条件で業者に見積もりを依頼することです。

間取りや工法など同じ条件で比較しないと、どこがいいのか分からず時間だけが無駄に過ぎてしまうので注意してください。

他にもできるだけ安くマイホームを建てるための値引き交渉のやり方もまとめます。

上手に交渉すれば300万円近く値引きできることもあるので、実際の家づくりに役立てて頂ければと思います。

見積もりを比較する際のポイント

ハウスメーカーを比較検討する際の材料となるのが、間取図や見積書です。

しかし、間取図や見積書を比較するにしても、どうやって比較すればいいのか分からない人がほとんどだと思います。

そこで、チェックする際のポイントを分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

同じ間取りで比較する

複数のハウスメーカーを比較する際には、同じ間取図で見積もりをだしてもらうのがポイントです。

実際のやり方としては各ハウスメーカーに同じ図面を渡しておき、それに沿った見積書を提示してもらうのがよいでしょう。

依頼するのが面倒な人や仕事が忙しくてあまり時間のない人は、自分の希望する間取りを入力するだけで、複数の業者の見積もりが比較できる便利なサイトもあるので、上手に利用してみてください。

工法が同じ業者で比較する

業者を比較する際はなるべく同じ工法のハウスメーカーで比較することをおすすめします。

1社は木造住宅、もう1社は鉄筋コンクリート造のハウスメーカーでは、使用する材料や工法があまりにも違いすぎるからです。

基本的に「木造→鉄骨→鉄筋コンクリート」の順で建築費は高くなります。

となれば同じ間取図の家であれば、木造よりも鉄骨や鉄筋の家が建築費がかさむのは当たり前です。そうなれば一概に建築費だけでは比較検討することはできなくなります。

もし「自社の図面でなければ見積もりは出せません」といってくるハウスメーカーがあれば、その段階で候補から外すようにしてください。

なぜなら、そのような融通が利かない業者と契約すると何かあるたびに、「上の判断」というような言葉を使って曖昧にし時間的にロスする可能性が高いからです。

見積書で確認すべきチェックポイント

ここでは見積書のどの部分に注意しておけばよいのか、具体的な項目をあげていきたいと思います。見積書のチェックすべきポイントは以下の2点です。

  • 仕様明細項目のチェック
  • 本体工事費とその他の工事費用

まずチェックする項目の1つが、「仕様項目の詳細がきちんと記載されているか」です。とくに契約前の正式な見積書では、より細かな詳細が書かれているかをチェックしてください。

ダメな例としては、各工事項目の詳細が、「○○工事一式 ○○万円」と書かれているような見積書です。

理想となる見積書を見つけましたので、まずは以下の画像を見て下さい。

一条工務店見積書3
一条工務店見積書4
一条工務店見積書5

(出典:https://www.smarthouse2.com/?p=7119)

こちらの見積書は、ほぼ契約直前の正確なものです。

一条工務店という大手ハウスメーカーだけあり、かなり細かく商品ごとの単価や型番まで書かれていているので安心できます。

ここまで細かく見積もりを出してもらえば信用できますし、他のハウスメーカーと比較しやすくなります。

業者によって異なる見積書

見積書でもう1つのチェックする項目は、「どこまで見積書に記載されているのか」という点です。

理由は、業者によって見積書の形式が異なり上記のように、カーテン代や住宅ローンの諸費用まで見積書に記載されているケースは少ないからです。

ほとんどのハウスメーカーの見積書は、

  • 本体工事費
  • 外溝工事費
  • 標準仕様外オプション費用

の3項目で構成されています。

そうすると、エアコンやカーテンなどの設備費用、住宅ローンを借りるときの手数料などが別途必要になります。

これらは一般的に諸経費という言い建築代金の10%程度が必要です。

ただ、一条工務店のようにカーテンやエアコンの費用、住宅ローン手数料や火災保険などの費用まで、しっかりと見積書に組み込まれているケースもあるので、金額だけで判断できません。

ですので、もらった見積書にはいったいどこまでの費用が組み込まれているのかを、ちゃんと確認しておく必要があります。

業者の比較が重要な理由

たった1社に相談して業者を決めてしまうのは、値引きチャンスを逃している可能性があります。

最低でも3社からの見積もりを取り比較検討しなければ、各社の良い部分や悪い部分は見えてきません。

比較しないことで最大の問題となるのが、値引き交渉する際の材料がない点です。

A社とB社の見積書を比較したとき、同じメーカーのユニットバス製品なのにA社は75万円なのに対し、B社は90万円だったらどうでしょう?

もしB社で契約するのであれば、A社の見積書を提示して同額の75万円まで値引きしてもらう交渉をすることができます。

何の根拠もなく値下げ交渉するよりも、このように具体的な理由を提示した上で値引き交渉する方が成功する確率が高くなるので、ぜひ一度やってみてください。

色々な業者を比較する際には、「LIFULL HOME'S」などのポータルサイトを利用すると便利です。

自分の予算に合わせて業者を比較することができますし、シミュレーターを使って毎月の返済額から最適な業者を探すこともできます。

まずはなるべくたくさんの業者のカタログやプランを比較した上で、最終的に3社程度に絞って具体的な見積もりを依頼してみましょう。

これをやるだけで、家づくりで失敗する可能性をグッと抑えることができると思います。

工事費用など値引き交渉には注意

ユニットバスのように製品がはっきりしている場合と外溝工事のように無形のものでは、見積りや値引きに対する捉え方が異なります。

仮に同じ外溝工事をするケースで、A社は300万円でB社は200万円だったとします。ですが、先程のユニットバスと同じようにA社に値引き交渉するのは待ってください。

理由は、B社が手抜き工事で100万円安くなっている可能性があるからです。

このように無形の工事に対してどちらの価格が適性なのか見極めるためには、A社とB社以外の業者の見積もりも取って比較することをおすすめします。

もしC社やD社が、B社と同じように200万円前後の工事費を提示してきたのであれば、明らかにA社の工事費が高いということがわかるからです。

値引き交渉のコツとタイミング

マイホームは一生の中で一番高額な買い物だと言われるので、少しでも安く買いたいと思うのは当然の心理です。

値引きを躊躇する人も少なくありませんが、そこは勇気をだして値引き交渉してみてください。

ハウスメーカーや工務店によって値引きの額に違いはありますが、1円たりとも値引きには応じませんという業者は滅多にありません。

値引き額の目安ですが、建築費の1割程度値引きすることができれば大成功だと思います。

建築費2,000万円の家であれば200万円ですが値引き交渉のやり方やタイミング次第では決して無理な金額ではないので、これから解説するポイントを参考にぜひチャレンジしてみてください。

交渉の具体的なやり方

値引きのやり方については先ほども説明しましたが、上手く交渉するには競合他社の見積りを使うのがポイントです。

「同じメーカーのトイレなのに、御社に比べB社は10万円も安い」これで値引きに応じないハウスメーカーはほぼありません。

ただし、過度な値引き交渉はおすすめしません。

常識を逸脱しているような額を値引き交渉するのは、人間性を疑われますし信頼関係を失う可能性があります。

仮に大幅な値引きに応じてくれる会社があったとしても、それはそれで安価な部材を使用されているのではないだろうか、という不安が出てきてしまいます。

おすすめのタイミング

値引き交渉にはタイミングが大事です。

よくサイトや書籍で紹介されているタイミングといえば、その会社の決算期を狙う方法です。

たしかに決算期であれば、大幅な値引き交渉に応じてくれる可能性があるので、自分が契約しようとしているハウスメーカーの決算期は事前に調べておくようにしましょう。

それともう1つ大事なのが、値引き交渉するタイミングは1度だけとは限らないということです。

値引き交渉は1度だけなんて決まりはありません。2度でも3度でも値引き交渉することは自由です。

といっても、打ち合わせのたびに値引き交渉していては、こちらの本気度が伝わらず軽く流されてしまいます。

そこでおすすめしたいタイミングは最初の見積りを提示してもらった時と、契約前の正式な見積りを提示してもらったときの2回です。

この2回は必ず値引き交渉をしておくようにしましょう。

契約前に一度だけ値引きするのであれば、200万円値引きに成功したら満足してしまうかもしれません。

しかし最初の見積り提示のときに200万、そして最後の契約前にあと100万円の値引きに成功すれば、トータル300万円の値引きになります。

値引き交渉する際の注意点

「交渉すれば絶対に値引きしてもらえる」という考え方はしないことです。

ハウスメーカー側も複数の業者の中から、自分の会社を選んでくれたんだだからこのお客さんはウチで家を建てたがっていることくらいは理解しています。

ですので、大手家電量販店のように交渉したからといってすぐに値下げしてくれるわけではありません。焦らずじっくり交渉するようにしてください。

そしてもう1つ「いついつまでに契約して頂けるのであれば、これだけ値引きできます」というフレーズがでてくるはずです。

この「いついつまでに契約して頂ければ」というのに注意してください。これは値引きに応じる代わりに、契約期限を決めてしまっているのと同じになります。

期限があると焦りから、妥協してしまったり、十分な打ち合わせができないまま契約してしまう恐れがあります。

こうした後悔をうまないためにも、交換条件のような値引きには応じない姿勢を最初から伝えておくようにしましょう。

注文住宅の見積もりに関するよくある悩み

ここからは多く寄せられる注文住宅の見積りに関する質問や疑問について分かりやすく解説するので、ぜひチェックしてみてください。

見積もり金額が正しいのか分からない

いざ契約直前になり、詳しい見積りを提示してもらったが、その金額が本当に妥当な額なのか不安になる人は多いのではないでしょうか。

友人や親戚に大工さんだったり、建築関係の仕事をしている人がいれば相談できると思いますが、いない人の方がほとんどだと思います。

このような不安を抱く理由は、業者の比較不足が原因なのではないでしょうか。

ハウスメーカー側にしてみれば細かく詳細まで金額や単価を出しているにも関わらず、その金額が妥当なのか不安と言われてしまっては対応しようがありません。

そこは施主である自分自身が、しっかりと見極めするしかありません。

途中でも解説していますが、同じ間取りで見積りを複数社から取り寄せていれば、金額が適正なのか分かるはずです。

そのため、複数のハウスメーカーの見積書をじっくり比較して、その金額が本当に妥当なのか判断してください。

そして疑問に感じた部分があれば、遠慮なくハウスメーカー側に質問するなり、値引き交渉することが大事です。

とくに建てたい家のコンセプトが明確に決まっているのであれば、そのコンセプトに合う家づくりをしているハウスメーカーのカタログや見積書を何社でも納得できるまで取り寄せてみましょう。

最後の2社で悩んでいる

「競合2社で悩んでおり、決めることができません。なにかアドバイスありますか?」と問い合わせを頂くことが良くあります。

確かに地元工務店などでは大手と似たような価格で似たような家づくりをしているケースが目立つので、最終的にどちらがいいのか悩むケースが多いです。

このように金額や家の特徴も差がないのであれば、別で判断するしかありません。

例えば会社としての体力(財力、規模)や実際の建築実例で比較してみてください。

会社が大きければ10年後や20年後の保証・メンテナンスも安心できますが、逆に転勤などで信頼している担当者がいなくなってしまうこともあります。

どちらを重要視するかはその人次第なのでなんともいえませんが、目先のことだけでなく建てたあとのことも目を向けてみてください。

また実際に建てた人の話を聞くことで、これまで見えてなかった部分が見えてくることも良くあります。

まとめ

今回はハウスメーカーの見積書を比較する際のポイントについて解説しました。

一番のポイントは、「なるべく同じ図面」で各社の見積もりを比較することです。

これによって各ハウスメーカーの価格を比較しやすくなるだけでなく、いざ契約する場合にも値引き交渉の材料として使うことができるからです。

ただし、あまりにも構法や構造が異なるハウスメーカーだと、同じ図面を使った相見積りも役に立たたないので注意してください。

まずは気になる業者についてカタログを取り寄せて、大まかな予算や工法について確認してみましょう。

しっかり比較した上で値引き交渉を行えば、できるだけ安く、満足する家を建てられると思います。