地盤調査に関する基礎知識と必要な費用相場

一戸建マイホームの大きなトラブルとして、切っても切れない関係にあるのが地盤の問題です。

地盤とは、マイホームを建てる土地の強度のことで、弱い地盤の上に家を建ててしまうと、将来的に家が傾いたり、地盤改良のために多額の出費をしなければならなくなります。

地盤トラブルは「軟弱地盤」、「地盤沈下」、「地盤改良」など数多くありますが、そのほとんどが適正な調査であったり、地盤に関する知識を持ち合わせていることで回避できるものばかりです。

今回はマイホームを建てるにあたり、どのような地盤を選んだら良いのか、地盤の調査費用はどれくらい掛かるのかなどについて、わかりやすく解説します。

これから土地探しをする方にとっては、とても大事なことなので、この記事を参考にしてもらえればと思います。

マイホームと地盤の関係

土地の上に家を建てるのですから、すべてのマイホームには地盤が関係してくることを、まずは理解しておいてください。

地盤が弱い土地にマイホームを建ててしまうと、以下のようなトラブルが起こります。

  • マイホーム完成後に地盤沈下が起こり家が傾く
  • 地盤対策(改良)が必要な土地には余計な出費がある
  • 傾いた家で暮らすと健康被害の原因となる
  • 地盤沈下により傾いた家は売れづらくなる

マイホーム完成後に地盤沈下が起こり家が傾く

地盤が弱い土地だと、家を建てるときに適切な地盤対策をしておかなければ、高い確率で地盤沈下がおこり家が傾きます。傾くだけならまだ良いほうで、最悪の場合、家が倒壊してしまうケースもあります。

引渡しを受けてすぐに地盤沈下が現れれば、家を建てた会社の保証で修繕してもらうこともできますが、地盤沈下は10年や20年経ってから起こる場合もあるので、その場合は保証トラブルになる可能性が高くなります。

対策としては、しっかりと地盤調査をして適切な地盤対策をするのはもちろんなのですが、「地盤永久保証」を取り入れているハウスメーカーで家を建てるのも対策の1つだと思います。

地盤対策(改良)が必要な土地は余計な出費が掛かる

注文住宅を建てる前には、かならず地盤調査を行うようになっています。この調査で軟弱地盤だと判定されれば、適切な地盤対策をしなければ家を建てることはできません。

地盤改良にも、いくつかの種類があり、それぞれ費用も異なります。

費用の目安としては、安価な方法でも50万円、高額な工法になると200万円~300万円かかるケースもあり、かなり手痛い出費となります。

せっかく苦労して掘出し価格の土地を探したのに、軟弱地盤で改良費用が数百万円もかかってしまっては意味がありません。

対策としては、土地の売買契約をする前に、地主(売主)に交渉して地盤調査をさせてもらうのが一番ベストです。

ただし軟弱地盤だと知られて、その後買い手がみつからなくなることを地主は恐れるので、そう簡単に地盤調査させてもらえる訳ではありません。そこはハウスメーカーの営業マンの腕のみせどころなので、信頼できる営業マンを探すしかありません。

管理人がハウスメーカーの営業マンだったころ、契約前の地主に地盤調査のお願いをしていたのですが、3割くらいの地主は契約前の地盤調査に難色を示していました。

傾いた家で暮らすと健康被害の原因となる

暮らしはじめてから地盤沈下で家が傾き、結局そのまま傾いた家で生活を続けている人も多くいます。

たしかに、わずかに傾いた程度の家だったら、普通の人は傾いていることにさえ気づかないこともあります。しかしそんなわずかな傾きの家でも、その中で長年生活を続けると、人間は平衡感覚の問題で体調不良を起こす可能性が高いと言われています。

偏頭痛が酷いとか、最近ずっと身体がダルいという人は、もしかすると家が傾いていることに気づかずにいる人たちかもしれません。

ハウスダストや化学物質によるシックハウスばかり注目されがちですが、じつは新居に引っ越してから体調を崩すといったケースの中には、家の傾きが原因で体調を崩している人も少なくないと言われています。

管理人が不動産営業マンだった時にも、何度も傾いた家の売却を依頼されたことがあります。当然家主から話を聞いたり、家の査定をするために傾いた家に訪問するのですが、酷く傾いてる家だと30分もしない内に偏頭痛がしてきたり、船酔いのような感覚になったことがあります。

地盤沈下により傾いた家は売れづらくなる

家が傾いたことで健康被害が発生し、せっかく建てたマイホームを早々に売却しようとする方もいます。しかし傾いている家を好きこのんで買いたいと言う人はいません。そのため通常の売却価格相場より、さらに値下げをしなければなりません。

傾きの状況にもよりますが、ほんとに僅かな傾きであれば相場の1割安、体感できるほどの傾きであれば相場の2割安、体調を崩したり、扉の開閉ができないなど、生活に支障がでるような傾きであれば、相場の3割~4割安くらいが目安となります。

せっかく建てたばかりの新居を、わずか1年とかで売却しなければならないのはつらいですし、借りている住宅ローンを完済しなければ売却の許可がおりないのも相当厳しいです。結局住宅ローンの返済の目処がつかず、売りたくても売れないという人は大勢います。

地盤対策について

ここからは、地盤トラブルをさけるために、どのような対策があるのかを紹介します。

まず最初に言っておきたいのが、「価格が安い土地だから地盤が弱い、価格が高い土地だから地盤が強いという訳ではない」ということです。

地盤改良費用が高すぎて、夢だったマイホームを諦めようかと思ってます。せっかく安い掘出し物の土地だったのに、地盤改良費用が高くつき盲点でした。

自分の勉強不足がいけないのですが、こんなんだったら初めから高い土地を買えば良かった!

このような愚痴や質問を頂くことがあるのですが、土地の価格と地盤の強度は、ほとんど無関係だと思ってください。

軟弱地盤の土地を買ってしまわないために、4つアドバイスをします。

  • 隣近所に新築の家が多い土地を選ぶ
  • 土地購入より先にハウスメーカーを決める
  • 土地の歴史を調べる
  • 売買契約前に地盤調査をさせてもらう

隣近所に新築の家が多い土地を選ぶ

新興分譲地など、最近土地開発された分譲団地などを購入するのは、地盤対策として適した方法です。

理由としては、しっかりと地盤対策をされている可能性が高いですし、何より隣近所の新築住宅を建てたときの事例があります。

とくに同じハウスメーカーが売り出している分譲地なら、その近辺の地盤がどれくらいの強度がなのかデータが残っているはずなので、購入前に地盤の強度について教えてもらうことができます。

もし違うハウスメーカーの家でも、日曜の昼間など、その新築住宅の人が家にいる時間帯に土地見学にいき、隣近所の方にご挨拶して話しを聞くこともできます。

「実際に家を建てるとき、地盤とかどうでしたか?」と聞けば、だいたいの家の人は親切に教えてくれると思います。

土地購入より先にハウスメーカーを決める

まずは先に家を建てる土地を購入してから、実際に家を建ててもらうハウスメーカーを探し出す人は少なくありません。しかしこれは順序が逆です。管理人としては先に建てたい家のハウスメーカーを決め、その後土地探しをすることを推奨してます。

理由としては、ハウスメーカーの営業マンが掘出し物件の土地を探してくれる可能性が高いこともありますし、何より地盤の問題を専門家と一緒に考えることができるからです。

ハウスメーカーの営業マンにとって地盤の問題は、決して他人事ではありません。

もし軟弱地盤の土地を買ってしまったら、家の建築費を削らなければならなくなるからです。そうなるとせっかく施主に気に入ってもらっていたプランニング(間取り)を、一から作りなおすことにもなりかねません。

土地の歴史を調べる

これも昔から言われている軟弱地盤の土地を回避する方法なのですが、購入を検討している土地がみつかったら、その土地の歴史について調べてみてください。

  • どんな地名や町名なのか?
  • 造成される前はどんな用途の土地だったのか?

この2項目を調べるだけでも、軟弱地盤の土地を回避できる可能性は相当高くなります。

知っている人も多いと思いますが、地名や町名は昔の名残りだと言われています。例えば「広田」や「川瀬」という町名や地名だった場合、「広田=広い田んぼ」、「川瀬=川の瀬戸際」だったという解釈もできます。

このように、その土地がある地名や町名から、そこが昔どのような場所だったのかを想定することができます。

近所の人に話しを聞けば、その土地が造成される前、どんな用途で使われていた土地なのかも調べることはできます。

造成前、田んぼや畑だった土地は地盤が緩い可能性が高く要注意ですし、10年ほど月極駐車場だった土地なら、地盤が馴染んでいる可能性が高いことが想像できます。

売買契約前に地盤調査をさせてもらう

一番確実な方法となるのが、土地の売買契約を締結するまえに、その土地の地盤調査をさせてもらう方法です。

この部分も、ハウスメーカーを先に決めておいた場合のメリットとなります。ハウスメーカーを決定していれば、そのハウスメーカーの営業マンが地主と地盤調査の交渉をしてくれますし、もしかすると地盤調査費用もハウスメーカーが負担してくれる場合もあります。

また、すでに新築住宅のプランニング(間取りや配置)が決まっていれば、その部分だけ地盤調査すれば良いのですから費用も抑えることができます。

管理人の経験からいうと、購入前に地盤調査した土地なら、地盤トラブルはほとんど起こりません。しかし地盤調査せずに購入した土地だと、地盤トラブル(費用や保証問題)が起こる可能性は3割ほどになります。

地盤改良の種類と費用

地盤改良といっても、その土地の地盤強度によって対策が異なりますので、どのような地盤改良の方法があり、それぞれ費用はどれくらいかかるのかについて解説します。

まずは地盤改良の種類ですが、大きく分類すると以下の3つの方法があります。

  • 表層改良
  • 柱状改良
  • 鋼管杭工法

どの工法を採用するかは、その土地の地耐力(地盤強度)の数値によって違ってきます。あくまでも目安ですが、一般的な地耐力と基礎の関係は以下のようになっています。

地耐力の数値 適用できる基礎の種類
30kN/㎡~ 布基礎orベタ基礎
20kN/㎡~30kN/㎡ ベタ基礎
20kN/㎡未満 地盤改良(表層改良、柱状改良、杭工法)

「布基礎 < ベタ基礎 < 地盤改良」の順で費用は高くなります。

表層改良

軟弱な地盤層が、比較的浅い場合に用いられる地盤改良の方法です。

目安としては軟弱地盤が2m以内であることとされ、掘った層にセメントを流し込み、強固な地盤層をつくりだします。

素人判断では、ベタ基礎と同じように見えるかもしれませんが、ベタ基礎では少し不安かなというときなどに用いられる地盤改良方法だと思ってください。そのため費用も比較的安価で、1mあたり坪20,000円~30,000円ほどが相場となっています。

一階部分の建坪が20坪の注文住宅であれば、1mの深さまで地盤改良するとして約40万円~60万円ほどの工事費用となります。

柱状改良

柱状改良(ちゅうじょうかいりょう)とは、軟弱地盤の層が2m~6m以内のときに用いる地盤改良法です。

家の支持部分にあたるところに穴を掘り、その穴にコンクリートを流し込み支柱をつくってしまう工法です。

大掛かりな工事のように思われがちですが、比較的安価な費用でおさまることもあり、軟弱地盤の土地にマイホームを建てる際に多く用いられる一般的な地盤改良法だと言えます。

柱の数や深さなどによって価格が違ってくることはありますが、多くの場合は深さや柱の本数ではなく、1坪あたり○万円という算出方法を採用しています。

相場としては1坪あたり50,000円~60,000円くらいで考えておくと良いでしょう。1階部分が20坪の注文住宅であれば、約100万円~120万円となります。

鋼管杭工法

鋼管杭(こうかんぐい)とは、軟弱な地盤層が6m以上であったり、大型重機が入りづらい狭小地の地盤改良などに用いられることが多い工法です。対応できる層の深さは30mくらいまでです。

かなり地盤が弱い場合に用いられることでもわかるように、価格も決して安くはありません。

一般的な場合だと10m以内の鋼管杭工事で1坪あたり70,000円~80,000円くらい見ておくのが妥当だと思います。さらに軟弱地盤の層が20m、30mと深くなれば、費用もそれに比例して高額になります。

建坪が20坪の場合だと10m以内でも、約140万円~160万円。20mや30mになれば、200万円や300万円という費用になっても不思議じゃありません。

まとめ

地盤の強度のことを考えずに土地を購入してしまい、最終的に地盤改良による建築費の削減が発生し、「当初の予定より狭い坪数のマイホームを建てることになった」という話は何度も聞いたことがあります。

一般的にマイホーム会社の標準工事には、布基礎かベタ基礎までしか含まれておらず、それ以上の基礎強化工事が必要となれば施主負担となります。

もし鋼管杭工事が必要と判断されれば、最低でも100万円単位で予算を増やすか、どこかから予算を削らなければならなくなります。

もし杭工事で170万円の費用が掛かったと仮定すると、35坪の注文住宅であれば1坪あたり5万円高い坪単価の家を買ったのと同じことになります。

坪単価を少しでも安いハウスメーカーを探す人は多くいますが、地盤改良に無駄な出費をせずに済む土地をみつけることができれば、それだけで坪単価5万円値切り交渉に成功したのと同じです。

ですので、まずは土地を購入する前に、しっかり地盤調査やサポートをしてくれるハウスメーカーを探すことをおすすめします。

ただ、地盤調査のことをアピールしているハウスメーカーは、そう多くないので、そのような場合はネットの一括相談サイトを利用してみるのも一考だと思います。

一括相談サイトであれば、まずはメールなどでやり取りできるので、聞きづらいことも気軽に聞くことができます。

注文住宅の家づくりや土地探しの相談なら、無料で利用できるタウンライフがおすすめです。

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