注文住宅の各工程で必要な検査や費用、確認事項について

注文住宅の各工程で必要な検査や費用、確認事項について

注文住宅を建てるとき、進捗段階に合わせて何度となく「調査」、「検査」という言葉が出てきます。調査や検査をパスしなければ、家を建てることができないこともあります。

調査や検査といっても、公的なものや住宅ローンに付帯しているものなど、検査内容や調査事項はそれぞれ違います。

ハウスメーカーの営業担当者が段取りや手配をしてくれるものばかりですが、ここでは、実際にどのような検査や調査があるのかについて詳しく解説します。

【目次】注文住宅の各工程で必要な検査や費用、確認事項
  1. 家が完成する前の検査や調査の詳細
    1. 現地調査や役所調査
    2. 地盤調査
    3. 建築確認の許可申請
    4. 住宅ローン適合検査
    5. 性能表示・長期優良住宅の許可申請
    6. 住宅性能保証制度
    7. 気密・断熱検査
    8. 最終合同検査
    9. 第三者機関による住宅診断検査
  2. まとめ

家が完成する前の検査や調査の詳細

家が完成する前の調査・検査といえば、「現地調査」になると思います。完成後の引渡し前最終合同検査もあります。

家が完成するまでに、何回くらいの検査や調査があるのか、一般的なものを挙列します。

  • 現地調査や役所調査
  • 地盤調査
  • 建築確認の許可申請(適合検査)
  • 住宅ローン適合検査
  • 性能表示・長期優良住宅の許可申請(適合検査)
  • 住宅性能保証制度
  • 気密・断熱検査
  • 最終合同検査
  • 第三者機関による住宅診断検査

家が完成するまでの「調査」や「検査」をすべて挙げていくと、相当な数になることがわかります。これらの厳しい検査や調査を経て、安心して住むことができるマイホームが完成します。

現地調査や役所調査

建築を依頼するハウスメーカーが決まり、初めに実施されるのが「測量などの現地調査」です。現地調査と同時に役所に出向き、建築の問題となるような条例や規制がないかも調査します。

この調査は、ハウスメーカーの営業担当者がやってくれますので費用はかかりませんが、境界などがはっきりしてない場合は、確定測量をしなければならないことがあるので、それらの費用は実費負担となります。

近年開発された分譲地等であれば問題ないと思いますが、相続した先祖代々の土地であったり、実家の建替えとなれば、境界がはっきりしていないケースも多々あります。

境界等が明確な場合は、3万円程度の測量費で終わることが多いのですが、境界が不明確な場合は現況測量をして、10万円ほどの費用をみておくのが妥当です。

ただし、隣地が市や国の土地だとしたら、確定測量などで料金が跳ね上がることがあるので注意してください。

ちなみに、役所の調査で「がけ条例」や「埋蔵文化財」に指定されている地域も、追加費用がいろいろとかかる可能性が出てきます。

地盤調査

土地が決まっているのであれば、早い段階で地盤調査を入れておくことをおすすめします。

地盤調査が終わっていれば、基礎の種類も確定できますので、より正確な見積もりを出してもらうことができるからです。

戸建て住宅を建てるのに問題のない地盤であれば、ハウスメーカーや工務店の標準仕様となっているベタ基礎や布基礎でも大丈夫なのですが、軟弱地盤だとしたら、地盤改良工事が必要になるので別途費用がかかります。

地盤調査の費用は3万円~5万円ほどですむと思いますが、地盤改良となれば、杭を入れるなどで200万円ほど費用がかかることもあります。


(出典:一条工務店HP https://www.ichijo.co.jp/sp/technology/i-head/taishin/

建築確認の許可申請

建物を建てるにあたり、建築基準法に沿った建物であるか申請しなければなりません。申請者は建築主となっていますが、ハウスメーカーや建築事務所の人が代理人となり申請手続きをしてくれるので問題ありません。

ただ、この申請後に審査され、その審査に合格し確認済証が発行されなければ、家の工事を始めることができません。

費用は、建築する家の規模や各地域によって異なりますので一概にいえませんが、おおむね1万円~2万円ほどの申請手数料となります。申請してから確認済証が発行されるまで、1ヶ月~1ヶ月半ほどの期間がかかります。

建築工事がはじまると、本当に申請した図面や工程通りに工事が進められているかの検査が入ります。

地域によって多少違いがあるのですが、一般的には中間検査と完成検査の2回実施されると思っておきましょう。この中間検査や完了検査にも申請手数料がかかるのですが、ほとんどのハウスメーカーでは見積もりの中に確認申請費用として含まれています。

総額だと40万円~50万円くらいの予算組みがしてあることが多いと思いますが、この金額は決して高くはありません。

この中間検査や完成検査で合格できなければ、次の工程に進むことが出来ませんし、登記時に必要となる検査済証を発行してもらうこともできません。

この検査は、提出された図面通りに施工されているかの検査なので、施工ミスであったり、手抜き工事を見抜いたり指摘するような検査ではなく、時間も10分ちょっとで終わってしまう比較的簡素な検査です。

住宅ローン適合検査

住宅ローンの適合検査と書いていますが、これが適用されるのは「フラット35」を利用する場合です。

フラット35には、貸付条件に「特定の技術基準に適合していること」となっています。つまり、その適合証明書を発行してもらわなければ、フラット35で融資を受けることができないということです。検査は委託業者が行うため、地域や業者によって費用が異なります。

一般的には、着工から完工までに2度の検査が実施されるのですが、確認申請の中間検査などを受けている場合は、こちらの検査は免除されることになり、あまり細かく検査されるわけではありません。

住宅ローン適合検査は、あくまでも融資を受けるための検査だと割り切って考えておくのが良いでしょう。

費用の方は確認申請の検査よりも割安となっており、平均すると5万円前後という場合が多いですし、確認申請費用のように建築費に組み込まれていることもほとんどありませんので、現金による実費負担となります。

性能表示・長期優良住宅の許可申請

「住宅性能表示制度」と、「長期優良住宅法」という、2つの似通った法制度があります。これらの制度は義務ではなく、あくまでも任意なのですが、これらの制度を取得することで、住宅ローン減税などの恩恵を最大限利用することができる仕組みになっています。

といっても、2つ同時に取得する人は少なく、どちらか1つを取得しておくというのが今の主流となっています。この2つの制度の、どちらを取得しておくのが良いのでしょうか。

どちら制度も4回の検査をパスして合格となりますが、長期優良住宅制度の方が新しく施工された法律でもあり、今はこちらの制度を申請する人の方が多いようです。

ただ、両方とも申請して認可を受けることができるようになっており、その場合は申請費用などの割引が適用されることになっています。もし将来的に売却することを想定しているのであれば、2つとも認可を受けておく方が有利になるのは間違いありません。

検査の時期はそれぞれ似ており、「基礎配筋工事の完了時」、「躯体工事の完了時」、「内装下地張り工事前」、「竣工時」となっています。料金はともに10万円~15万円ほどみておくのが良いでしょう。

これまで紹介した確認申請や住宅ローンの検査よりも、長期優良住宅制度の検査の方が、より詳しい検査が実施されます。

住宅性能保証制度

先ほど解説した「住宅性能表示制度」と名前が似ているのですが、「住宅性能保証制度」はまったく異なる制度です。

今回の住宅性能保証制度とは、瑕疵保険制度により、今は建築会社に10年間の長期保証をつけることが義務となっています。そのため、業者側は保証会社へ加入するのですが、その際に必要となる検査が、こちらの「住宅性能保証制度」というわけです。

生命保険やガン保険に加入するとき、近くの病院で健康診断を受けるようなもの、と思って頂ければわかりやすいかと思います。保険加入の健康診断を受けたことがある人ならわかると思いますが、検査の内容はごく簡単なものです。

それと同じで、こちらの制度では「基礎工事完了後」と、「屋根工事完了後」の2度実施されることになります。

費用は加入する保険会社によって異なりますが、約5万円~8万円程度に設定されていることが多いようです。

気密・断熱検査

気密・断熱検査は、工事完了後の社内検査と同時に行われることが多いのですが、大事な検査なのであえて別に書き出しておきました。

最近では、ほとんどの住宅が高気密・高断熱住宅を謳っていますが、実際にどれくらいの気密性があれば「高気密」と言ってよいのか、その定義は決まっていません。

つまり、業者側が高気密だと思えば、そう謳っても良いことになっているのです。そのため、ハウスメーカーや工務店など、各業者によって機密性能には大きな差があるのが実情です。

わかりやすく言うなら、気密性能70%の家でも高気密と言ってるハウスメーカーもありますし、機密性能90%を実現しているような素晴らしい業者も同じ「高気密」です。

この気密性能をどのように調べるのかというと、気密性と断熱性を数値化することができます。

それが「C値」と「Q値」です。気密性を表すのが「C値」、断熱性を表すのが「Q値」です。

C値の数値が小さいほど気密性に優れた住宅ということになり、Q値は数値が低いほど断熱性に優れた住宅ということになります。

最近では、Q値に変わりUA値という言い方をするのですが、業界内ではまだまだQ値という言い方の方が多用されているので、今回はあえてQ値と書きました。

これらの調査費用は、ハウスメーカーが実施するので無料です。外部の機関に依頼する場合は別途費用が発生しますが、目の前で測定してもらえば誤魔化しようもないので、外部機関に依頼するまでもないと思います。

最終合同検査

工事の完成と同時に、公的な検査をいろいろと受けることになりますが、それらの検査が全て終了したあと、最終的に建築主と建築会社が合同で、最終検査を実施します。

このとき、工事に不備があったり、計画とは違っている箇所があれば指摘して、補修してもらわなければなりません。直接建築主が検査に携われる最後のチャンスなので、見落とすことなく隅々まで時間をかけてじっくりと検査してください。

このとき、自分たちだけでは心もとないのであれば、住宅診断などの第三者機関に同席してもらうようにしましょう。

第三者機関による住宅診断検査

着工から引渡しまでには、さまざまな検査を受けることが理解頂けたと思いますが、どの検査も施工ミスや欠陥住宅を発見するような検査ではありません。

そのため、たくさんの検査を受けたのに、いざ居住しはじめたら、あちこちで欠陥が発見されたなんてこともあります。そこでおすすめしておきたいのが第三者機関による厳しい検査、住宅診断です。

ホームインスペクションとも言われるものですが、図面通りにしっかり施工されているのか、欠陥となる部分がないのか、などを隅々まで施主に代わって検査してくれます。

費用は、1回の検査でおおよそ5万円~10万円ほどです。最終合同検査時に依頼して、同席してもらうのも良いのですが、着工から引渡しまで一貫して検査してもらえるセットプランをおすすめします。

会社によりますが、5~6回定期的に検査に入ってもらい、費用は30万円前後になると思います。

住宅診断については別記事の「建築中のホームインスペクション(住宅診断)にかかる検査費用」で詳しく解説しています。

まとめ

注文住宅は、数千万円という高額な買い物です。安心して生活していきたいと、全ての人が思うはずです。その安心を得るためには、住宅の検査や調査を入念におこなうことが大事です。

住宅会社の保証期間が過ぎたあと、欠陥が見つかって補修する場合、かなりの出費になるはずです。そう考えると、建築中に欠陥がないかしっかりとチェックしたほうが、結果的に安くなるとも思います。

検査や調査などで気になることがあった時には、ハウスメーカーや工務店の担当者に、しっかりとこちらが納得するまで説明してもらいましょう。それでも不安な方は、第三者の検査機関に住宅診断を依頼してみてはいかがでしょうか。

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