新築にシアタールームなどを付ける費用や注意点

シアタールームのある家について

夢のマイホーム。自分の趣味の部屋も作りたい人も多いですよね。その代表的なものの1つが「シアタールーム」ではないでしょうか。

憧れだったシアタールームをつくるのにどれくらいの費用がかかるのか、どんな点に注意しておけば良いのかなどについて解説します。

シアタールームのある家を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

シアタールームのある住宅の間取り例

ここではシアタールームがある住宅を得意としているハウスメーカーを5社ほど紹介しておきますので、業者選びの参考にして頂ければと思います。

もし予算が決まっている人は、金額別にハウスメーカーを探す事もできるので、こちらもあわせて参考にしてみてください。

ダイワハウス

ダイワハウスシアタールームのある家

ダイワハウスシアタールームのある家内装

ダイワハウスシアタールームのある家間取り1階

ダイワハウスシアタールームのある家間取り2階

出典:https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/visit/vol21/

間取りをみると、かなり大きな住宅に感じますが、二世帯住宅になっているようです。

若夫婦の居住スペースにシアタールームが設置されており、100インチの大スクリーンで臨場感ある映像を楽しむことができます。

ダイワハウスでは、「奏でる家」をテーマにして、家族が趣味である音楽や映画を存分に堪能できる家づくりに力をいれています。

ダイワハウス奏でる家

ダイワハウスシアタールーム

出典:https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/lifestyle/kanaderuie/

パナソニックホームズ

パナソニックホームズシアタールームのある家

パナソニックホームズシアタールームのある家内装

パナソニックホームズシアタールームのある家間取り

出典:https://homes.panasonic.com/common/case/145/

パナソニックホームズのこちらの住宅は、シアタールームというよりカラオケルームに近い感じだと思います。

それでも基本的な間取りの考え方は同じで、防音対策などにも違いはありません。

音漏れを気にされているのか、写真を見る限りでは、かなり小さい窓にされているようです。

これだけ小さい窓にしておけば、二重サッシにしても追加費用は高くありませんし、あとは壁面に遮音性や吸音性の高いボードを入れておけば、それなりの防音効果のあるシアタールームにすることができます。

レオハウス

レオハウスシアタールームのある家

レオハウスシアタールームのある家内装

レオハウスシアタールームのある家間取り1階2階

レオハウスシアタールームのある家間取り3階

出典:https://www.leohouse.jp/illustration/vol04/

今回紹介した間取り例のなかでも、ひときわ強いこだわりを感じたのがレオハウスの住宅です。画像をみても、こだわりの強いシアタールームになっているのが良くわかります。

照明の明るさ、床材の色にまで気をつかって選んでいるのではないでしょうか。

ただ全体の間取りとしては、3階の浴室を2階に収めることができていたほうがバランスとしては良いかなと感じました。

パルコン

パルコンシアタールームのある家

パルコンシアタールームのある家間取り1階2階

パルコンシアタールームのある家間取り3階屋上

出典:https://www.palcon.jp/product/lineup/palcon-veil/

3階建て住宅なのですが、建坪10坪ほどと狭小地向きのプランになっています。

特に1階が一番小さく、ガレージとシアタールームだけを設置しており、音漏れなどを気にすることなく、大音響で迫力のある映画や音楽を楽しめるようになっています。

パルコンは鉄筋コンクリートのRC住宅なので防音にもつよく、シアタールームやカラオケルームを設置するには最適な住宅だと思います。

コンパクトな個室タイプのシアタールームを希望するのであれば、「コンパクト防音書斎」でも対応できるのではないでしょうか

パルコンコンパクト防音書斎

出典:https://www.palcon.jp/special/mens-room/special1/

シアタールームのある住宅を建てる際のポイント

シアタールームといっても、考え方はそれぞれです。

個別に映画鑑賞したり、大音量で音楽を楽しむためだけの部屋を作る人もいれば、リビングと併用したシアタールームを希望する人もいます。

実際に管理人が手がけた注文住宅では、寝転んで映画を鑑賞したからという理由で、畳敷きの和室のシアタールームをつくったこともありました。

こだわりが強い人は、映画をみる機材にもこだわる傾向が高いです。

大画面モニターやプロジェクター、重低音のサウンドシステムなど言い出せばきりがありませんし、値段もピンきりです。

ですので、今回は「シアタールームをつくること」に特化して説明します。詳細なサラウンドシステムなどについては、割愛させていただきます。

シアタールームを設置するのにかかる費用(坪単価)

ホームシアターの設備によって費用は大きく違ってきます。

単純に大画面のテレビとプロジェクタスクリーンのどちらを選ぶかでも価格は全然違ってきます。

大画面のテレビを選ぶことで、プロジェクターも不要になるのですが、80インチ以上のテレビとなれば、それだけで50万円は超えてしまいます。

しかし、プロジェクタスクリーンにすることで、10万円以下でもホームシアター設備を整えることはできます。必要な機材としては

  • スクリーン:10,000円~
  • プロジェクター:35,000円~
  • サラウンドスピーカー:25,000円~

このように比較的、お手頃な価格でホームシアターを設置することができます。

ただし、費用をかければかけるほど、映画館のような大迫力の映像や音響を楽しめるのもホームシアターの特徴です。

ですので、最初は安価な商品で試してみて、その後、高価な商品へと買い替えていくのも1つの方法だと思います。

せっかくの新居だし、高価な機材を最初から揃えたいという人もいるでしょう。

高性能な機材も上を見ればきりがありませんが、おおむね50万円~100万円くらいの予算組をしておくのが良いでしょう。

  • 150インチプロジェクタ電動スクリーン:170,000円~
  • プロジェクターHull HD JVCDLA-X590R(解像度3840 x 2160):450,000円~
  • シアタースピーカーTheater Sound 1080 5.1ch(YAMAHA):470,000円~

自宅のホームシアターとしては、平均より少し上の商品を揃えてみましたが、これでだいたい100万円くらいの予算になります。

新築でシアタールームの設置を検討している人は、予算にあうハウスメーカーを比較してみて、自分たちにあう業者を探してみてください。

照明や防音対策の費用

スクリーンやプロジェクターなど、機材だけを揃えても満足できるシアタールームにはなりません。

せっかくの音響システムも、防音対策が不十分では存分に楽しむことができませんし、どんなに高級なスクリーンやプロジェクターでも、部屋の照明設備が不十分では映画館のような満足感を得ることはできないからです。

完全防音みたいに大掛かりな設備にすると、それだけで費用は200万も300万もしてしまいますが、シアタールームであればそこまでの防音対策は必要ありません。

それでも防音性に優れた建材を使うことで、20~30万円くらいの工事費用を想定しておくようにしましょう。

照明設備に関しては、なるべく細かく調整できる商品を設置するようにしましょう。

こちらも配線や工事費込みで10万円~20万円あれば追加オプションで十分に対応できます。

つまり新築でシアタールームを個別に作るのであれば、6帖~8帖くらいの部屋で機材費と工事費あわせて50万円ほどが必要ということがわかります。

多少グレードの高い機材にこだわっても、100万円ほどの予算をみておけば大丈夫です。

設置場所はどこがおすすめ?

最初に決めるべきことは、間取りです。どこにシアタールームを設けるのか、リビングと併用するタイプにするのかなど、どんなシアタールームが欲しいのかを明確にすることからはじめます。

最近特に多いのが、「地下室」や「屋根裏部屋」をシアタールームとして利用したいという希望です。

こちらに関しては別の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。今回は地上階にシアタールームをつくるという前提で話しをします。

シアタールームは設置する場所によって注意すべきポイントが違ってきます。

リビングシアターにするのと、個室のルームシアターではメリットやデメリットも違ってきますので、よく理解して決めるようにしましょう。

リビングシアター

リビングにホームシアターを設置する場合のメリット、デメリットは以下のとおりです。

メリット
  • 大型スクリーンも設置しやすい
  • 家族みんなで楽しめる
  • 初期投資費用が安い
デメリット
  • 理想的な照明や音響になりづらい
  • ひとりで見ていると、音量などで気をつかう
  • リビングの統一したイメージが崩れやすい

個室シアタールーム

個室のシアタールームをつくる場合のメリット、デメリットは以下のとおりです。

メリット
  • 理想的な照明や音響にしやすい
  • 映画や音楽に没入しやすい
  • 自分のタイミングでいつでも楽しめる
デメリット
  • 設備にこだわり高額になりやすい
  • 家全体の面積が大きくなり、建築費も高くなりがち
  • 家族とのコミュニケーション時間が減る

リフォームでシアタールームを作る場合

ここでは既存の部屋をシアタールームにリフォームするという仮定でお話をしていきたいと思います。

現在の間取りに増築する形でシアタールームをつくるのであれば、部屋の増築だけで少なく見積もっても200万~300万円ほどの費用がかかります。

ですので、使わなくなった子供部屋などを改装して、シアタールームにするといのが現実的だと思います。

DIY(自作)で作れるのか?

まずDIYでシアタールームをつくることはできるのか?という問題ですが、建築の知識が多少あれば難しいことではありません。

問題となるのは、いかに防音対策をしっかりと出来るかだと思います。

遮音性に優れた建材を選び、ドアも二重にするなど、しっかりとした防音対策さえできれば、DIYでも十分にシアタールームをつくることはできます。

なるべく費用を抑えたいのであれば、無理に防音性に優れた高価な建材を使用せず、壁や床を二重にするだけでもそれなりの効果は期待できますし、一番費用的にも安価におさまります。

ただし、高い防音性は期待できないので、本格的なシアタールームを希望するのであれば、そうしたリフォーム工事の経験が豊富な業者に依頼することをおすすめします。

断熱材から入れ替えになるケース多いので、リフォームで1部屋をシアタールームにする費用は設備工事だけで100万円ほどは覚悟しておきましょう。

もちろん工事の内容によっては、費用を50万円以下におさえるリフォーム工事もあります。

なお、おすすめリフォーム会社については、以下の記事で詳しく解説しているので、検討している人はぜひ参考にしてみてください。

大手リフォーム会社の評判口コミランキングはこちら

リフォームでシアタールームをつくるのにかかる費用(坪単価)

リフォーム会社にシアタールームの設置を頼んでも、彼らは工事のプロでも、ホームシアターに必要な機材に関しては素人同然です。

そこで提案したいのが、シアタールームを専門にしている業者にリフォーム工事を依頼するケースです。

もちろん工事は地元の工務店などのリフォーム会社が担当することになるのですが、それら工事費用まで込みの見積もりを出してもらうことができます。

一般的なリフォーム会社に依頼するより、多少高額になってしまいますが、専門知識がある人が工事を監修するのと、ただ建築知識があるだけの方が監修するのではシアタールームとしての完成度も大きく違ってくるのではないかと思います。

国内最大手と言われているのが、ホームシアター・オーディオ専門店の「アバック」で、北海道から福岡まで、各地に支店があります。

担当者によると、シアタールームのリフォーム費用は最安値でも80万円前後くらいになるとのことです。簡単な内訳としては、

  • 各種機材費用:30万円~
  • 工事費用:30万円~50万円
  • インストール費用:15万円~

もちろん、防音性や映像にこだわれば、簡単に300万や500万円を超えてしまうのが、シアタールームなので、しっかりと使える予算を組んでから相談するようにしましょう。

今回はアバックさんを紹介しましたが、このようにシアタールーム専門の会社は他にも多くあります。

シアタールームに関する疑問、質問

シアタールームに関して、今回紹介しきれなかった部分や、ネットなどで良く質問されている内容などをまとめてみました。

新築の場合、どの段階で相談すればいいの?

新築の場合だと、遅くとも間取りが決まった時点では、シアタールームの設置をハウスメーカーや工務店に打診しておくようにしましょう。

本来であれば、シアタールームを家のどの場所に設置するかも大事になるので、間取りを考える前に打診しておくのがベストです。

ハウスメーカーや工務店とは違い、オーディオ専門の業者にシアタールームだけ依頼する場合でも同じで、遅くとも間取りが完成した時点で相談しておくようにしましょう。

ホームシアターのリフォームで注意しておくポイント

DIYやリフォームでシアタールームを考えているのであれば、最低限の知識としてスクリーンからの距離や目線の高さくらいは考えて計画しなければなりません。

一般的にスクリーンからの距離は、画面の長さ(縦)の3倍がベストだと言われています。

同じくプロジェクターにもベストな距離が製品によって異なり、1.5mや4.0mなどの違いがあります。

これらを理解してリフォーム工事をしなければ、最適な視聴環境を整えることが難しくなります。

シアタールームは1階と2階どっちが良い?

費用さえかければ、1階でも2階でも同じように快適なシアタールームをつくることができます。

ただし、工事予算に限りがあるのであれば、1階に設置するほうが安く済ませることができます。

2階にシアタールームを設置するということは、壁や天井だけでなく、床にも防音対策が必要なのですが、1階であればそれを最小限に抑えることができるからです。

壁をスクリーンにすることはできないの?

新築であれば、部屋の壁一面をスクリーンとして利用するなんて計画もありだと思います。

管理人がハウスメーカーに居たころ、一度だけ壁面をスクリーンにしたホームシアターを計画したことがありました。

壁一面をスクリーンにすることで、プロジェクタスクリーンの費用(約10万くらい)を節約することができますし、なにより200インチの大迫力にも対応できます。

まとめ

手軽につくれる趣味の部屋として、人気の高い「シアタールーム」は、最近希望する人が増えています。

シアタールームには、リビング型と個室型があり、どちらを希望するかによって計画も費用も全然違ってきます。

安価に設置できるリビング型のホームシアターが人気ですが、音響や映像にこだわりたいのであれば個室型のシアタールームがおすすめです。

またリフォームやDIYでもシアタールームを作ることはできますし、高い性能を求めなければ30万円くらいとリーズナブルに作ることもできます。

あとは家族としっかり相談した上で、自分の予算内に収まるかどうかを冷静に判断してから決めればよいと思います。